
多様な業種が参画する(一社)持続可能な社会のための日本下水道産業連合会(FJISS、フジス)の活動報告を定期的に発信します。今回は先ごろ行われた国土交通省上下水道審議官グループとの意見交換のもようを紹介します。

令和2年4月に設立されたFJISSは、下水道事業に関わる総合建設、専門土木、機械電気設備、資器材、調査設計、測量、管路管理、施設管理の計8業種が横断的に参加し、会員数は令和8年7月現在で63会員(正会員59社、賛助会員3社・1団体)にのぼっています。
FJISSは7月23日、国土交通省上下水道審議官グループとの意見交換を行いました。FJISSからは「強靱化と担う力」をテーマとした提案を行うとともに、下水道産業界に対する中東情勢の影響について会員企業に対し行った緊急調査の結果を共有しました。
冒頭、FJISSの野村喜一会長(日水コン代表取締役会長)は「人口減少下で働き手が少なくなる中、下水道事業を継続するには『担う力』の確保が重要。担う力は『人』『技術』『しくみ』『市民の理解』の4つの視点があり、このうち今回はとくに『しくみ』を中心に意見交換できればと考えている」と挨拶。国交省の石井宏幸・上下水道審議官は、15日に可決・成立した改正下水道法について「肝は『メリハリあるインフラマネジメント』と『市民への徹底的な見える化』の2点。法案成立により“器”はできたので、今後はこの器に中身を入れていきたいと考えている。FJISSにはなお一層の協力を期待したい」と述べました。


意見交換では、「しくみ」の改善に向けたFJISSの取り組みとして、官民・民民リスク分担や事業評価(KPI)に関する検討内容を紹介しました。FJISSでは、官民連携(ウォーターPPP)において事業者の創意工夫を活かしつつ事業の質を適切に担保するためには当事者以外の客観的な視点が必要との認識から、会員にアンケート調査を実施し、官民リスクの問題点や民民リスクの種類、具体的なKPI項目を整理しました。また、これらを踏まえた国交省への要望として「水の官民連携」ガイドライン改定時への反映を求めました。
中東情勢を踏まえた緊急調査は、今年6月に現場実態と対応状況を把握するため会員企業に対し行いました。具体的な影響については「資材・部品の価格高騰」が20件(全67件のうち30%)、「資材・部品の納期遅延・供給不安」が24件(同36%)の回答があったほか、最近3ヵ月で自治体等と請負代金変更・工事遅延等の協議を行った実績は8件(全34件のうち24%)という状況でした。また、現状が継続した場合、半年から1年後の経営等の影響を聞いたところ、「受注活動に懸念が生じる」は16件(同47%)、「経営への影響が深刻」は8件(同24%)という回答結果でした。こうした状況を踏まえFJISSでは、国交省に対し、情勢に即した柔軟な契約変更や工期延長への対応、公共工事の設計単価や積算基準の迅速な見直しのほか、特に上下水道で使用されている薬品について市場価格調査の実施や標準的な価格指数の整備などを要望しました。
編集・発行責任者(FJISS事務局長) 山本 哲彦