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【連載】下水道の散歩道(78)続・上下水道だけで考える思考からの脱却

―日本成長戦略・水処理方式大変革・エフェクチュエーション―

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Ⅰ. はじめに――「八潮から一年」を振り返って

1月28日、八潮の陥没事故から一年が経過しました。改めて、お亡くなりになられた方のご冥福をお祈り致します。

事故後、昨年2月21日に、「下水道等に起因する大規模な道路陥没事故を踏まえた対策検討委員会(委員長家田仁政策研究大学院大学特別教授)」が国土交通省に設置され、

全国特別重点調査の実施を提案した第1次提言、
下水管路マネジメントのあり方を提示した第2次提言、
2つのメリハリ・2つの見える化・5つの道すじを盛り込んだ最終の第3次提言

と、この一年に次々と提言が出され、それに基づく技術基準等の検討会も進み、中間整理も出されました。これらに基づき、2月から再開される通常国会で、下水道法関係の法律・政令・省令の改正が行われることとなりましょう。

また、八潮の事故の二か月前に国土交通省で始まった、「上下水道政策の基本的なあり方検討会」も、「第一次とりまとめ」、「第二次とりまとめ」が発出されました。今夏以降にまとまる検討会の最終結論は、将来の「上下水道ビジョンの策定」、「水道法・下水道法の改正」等に繋がるでしょう。

こうした大きな動きが、上下水道界で、進んでいます。上下水道界は、こうした動きの中で、前に進んでいるように見えます。

しかし、上下水道界を取り巻く「社会経済政治情勢」は、劇的に変化しています。

このことを常に意識しつつ、新たな的確な上下水道政策を打ち出し、上下水道行政を司っていかねばなりません。

以下、「社会経済政治情勢の主要な変化」を明示した上で、「それを踏まえて上下水道政策・上下水道行政が脱皮していかなければならない視点(二つの脱却)」、「情勢の変化を踏まえた脱皮のための具体的政策」を述べたいと思います。

具体的政策としては、特に、「高市総理の日本(にっぽん)成長戦略の注視とシンクロ」、「下水処理施設本格改築にあたっての水処理方式大変革の予感」、「エフェクチュエーション思考による管路危険箇所の早期抽出」等を提案したいと思います。

Ⅱ. 社会経済政治情勢の変化

1. 社会情勢の変化

(1)上下水道を取り巻く社会情勢の変化

八潮以降、この一年間で、「国民の上下水道への意識」が大きく変わりました。「危険、老朽化、国民生活への影響大、代替不能な重要インフラ」、こうした印象が植え付けられました。悪いイメージ、良いイメージ、両方でしょう。しかし、いずれにせよ、それまでの「上下水道への全くの無関心」と比べると大変大きな変化です。国民のほぼすべての人々に上下水道のこと(良いことも悪いことも)をわかってもらえ、関心を持ってもらえるようになったことはこの一年の最も大きな変化です。

(2)加速する人口減少

1月23日に厚生労働省が発表した人口動態統計の速報値によると、令和7年一年間の我が国の出生者数は令和6年の68.6万人(確定値)を下回り66万人台となる見込みです。9年連続の減少で、人口減少の加速化は、想像以上に深刻です。上下水道の将来ビジョンに大きく影響します。

(3)AIの劇的な進化(DXからAXへ)

この一年の生成AIの進化は、目を見張るものがあります。もはや、DX(デジタルトランスフォーメーション)ではなく、AX(AIトランスフォーメーション)と呼ぶべきと言われています。

(4)上下水道インフラへの国民の期待の変化

20年前、各家庭の水道使用量の用途別内訳は、風呂24%、トイレ28%、洗濯16%、炊事23%でしたが、5年前は、一戸当たり総使用量が変わらない中、風呂43%、トイレ20%、洗濯16%、炊事15%に変化してきています。トイレの減は、節水型便器の普及、炊事の減は、外食・中食の増、風呂の増は、浴槽の大型化とシャワーの多用と考えられます。上下水道は、今や、風呂・シャワー使用のため、また、洗濯のために必要となっています。大地震等により、避難所が設置される場合、従来のように、仮設トイレを用意すればよい、食事を用意すればよいということではないのです。平素の生活と比較し、シャワー、洗濯のできないことへのストレスが大きいのです。これらを意識した避難所対応が重要です。

2. 現時点、今後の経済情勢

(1)土木建築現場の人手不足・資材不足からの土木建築工事の停滞

上下水道等社会インフラの老朽化がクローズアップされ、第1次国土強靭化実施中期計画も動き出し、上下水道産業界の景気は順調です。しかし、その中で、土木建築関係の現場では、型枠工・鉄筋工等の熟練工不足で、現場が回らない状況が続いています。資材不足、人件費・資材費の高騰も続き、新規土木建築公共工事における入札不調が続発し、工事の停滞が生じています。これらへの対応として、徹底的なプレキャスト化、下水処理施設の本格改築の際に土木構造物は存置し処理設備の更新を図る工夫(後述のMABRの採用等)、将来的には、ヒューマノイド(人型ロボット)の開発等が必要です。

(2)水の官民連携(ウォーターPPP)の動き

1月16日に閣議決定された第6次社会資本整備重点計画において、令和13年度までに、上水道100件、下水道100件のウォーターPPP具体化が目標として掲げられ、今後、本格的にウォーターPPPが動き始めます。特に下水道での動きは顕著になると考えられます。民間の力を活用した上下水道インフラの改築更新が本格化します。

3. 現時点の政治情勢

(1)高市政権の「責任ある積極財政」と社会インフラ

高市政権の「責任ある積極財政」は、大きな動きです。ただ、個別の内容を見ると、国土強靭化等は、提唱されてはいるものの、「社会インフラへの投資、公共事業への対応」は、決して、優先順位が高いとは言えないと思います。

(2)高市総理の日本(にっぽん)成長戦略会議

高市総理は、総理就任後の11月4日、全閣僚を集めた「日本成長戦略本部」を設置・開催し、早速、持論の「日本の成長戦略」をまとめるよう指示しました。それを受け、11月10日に、第1回の「日本(にっぽん)成長戦略会議」が開催されました。この「日本成長戦略会議」が今後の高市内閣の政策立案の核となり、6月の「骨太の方針」に繋がり、8月末の令和9年度概算要求に反映されると考えられます。17の戦略分野と8つの分野横断的課題を議論する「日本成長戦略会議」は、要注視です。

Ⅲ. 上記諸情勢を踏まえ上下水道政策・上下水道行政が脱皮していかねばならない視点(二つの脱却)

1.「従来の延長線で考える思考」からの脱却

上記のように、直近のわずか一年の中でも、上下水道を巡る社会経済政治情勢は、劇的に変化しています。上下水道政策・上下水道行政は、その変化に適時的確に対応していかねばなりません。

その変化に対応するための視点として、今、最も求められている視点は、「従来の延長線で考える思考からの脱却」です。

急激に諸情勢が変化している中、経営・運営・改築更新・維持管理・技術開発・国際展開等、上下水道政策・上下水道行政のあらゆる分野で、「従来の延長線で考える思考からの脱却」を図らないと、上下水道界の発展は望めません。

2.「上下水道だけで考える思考」からの脱却

上下水道を巡る諸情勢が大きな変化を遂げる現在、「上下水道だけで考える思考からの脱却」も必須です。上下水道インフラの経営・運営・整備・維持管理・技術開発等の歴史において、上下水道の世界の関係者だけで、マネジメントを行ってきたことは否定できません。比較的単純で変化の少ない時代は、それが効率的でしたが、複雑化し、IT化し、グローバル化し、変化の激しい現在では、上下水道界のどの課題解決にあたっても、幅広い業種を含む全産業界・巾広い官学民の関係者との連携は必須です。

これが、今後のAX(AIトランスフォーメーション)化、GX(グリーントランスフォーメーション)化、経営効率化、技術革新に向けての鍵だと考えます。

Ⅳ. 具体的な政策提案

上記の二つの脱却を踏まえた具体的な政策を以下に提案します。1~3が、「従来の延長線で考える思考からの脱却」関連、4~5が「上下水道だけで考える思考からの脱却」関連の政策です。

1. 高市総理の日本(にっぽん)成長戦略の注視とシンクロ

「日本成長戦略会議」の構成員は、別表の通りです。

【表】 日本成長戦略会議構成員一覧


(閣僚構成員)
高市 早苗  内閣総理大臣(議長)
木原 稔   内閣官房長官(副議長)
城内 実   日本成長戦略担当大臣(副議長)
小野田 紀美 内閣府特命担当大臣(経済安全保障)
片山 さつき 財務大臣
上野 賢一郎 厚生労働大臣
赤澤 亮正  経済産業大臣
小泉 進次郎 防衛大臣
その他、議案に応じた国務大臣
(有識者構成員)五十音順
会田 卓司  クレディ・アグリコル証券会社東京支店チーフエコノミスト
伊藤 麻美  日本電鍍工業株式会社代表取締役
遠藤 典子  早稲田大学研究院教授
片岡 剛士  PwCコンサルティング合同会社上席執行役員、チーフエコノミスト
小林 健   日本商工会議所会頭
鈴木 一人  東京大学公共政策大学院教授
竹内 純子  国際環境経済研究所理事・主席研究員
筒井 義信  日本経済団体連合会会長
橋本 英二  日本製鉄株式会社代表取締役会長兼CEO
平野 未来  株式会社シナモン代表取締役社長CEO
松尾 豊   東京大学大学院工学系研究科教授
芳野 友子  日本労働組合総連合会会長

「日本成長戦略会議」の構成員は、主要閣僚と、有識者構成員からなります。主要閣僚は、高市首相が特に力を入れて実施しようとする政策に関係した閣僚です。国土交通大臣は、入っていません。有識者構成員の中にも、社会資本整備・上下水道インフラに関心を持つ人は見当たりません。

そうした中、成長戦略の検討課題は、Ⅰ. 「危機管理投資」・「成長投資」による強い経済の実現 と、Ⅱ. 分野横断的課題への対応 の二つに分けられています。

Ⅰでは、①AI・半導体、②造船、③量子、④合成生物学・バイオ、⑤航空・宇宙、⑥デジタル・サイバーセキュリティ、⑦コンテンツ、⑧フードテック、⑨資源・エネルギー安全保障・GX、⑩防災・国土強靭化、⑪創薬・先端医療、⑫フュージョンエネルギー、⑬マテリアル(重要鉱物・部素材)、⑭港湾ロジスティクス、⑮防衛産業、⑯情報通信、⑰海洋 の17分野が「戦略分野」としてあがっています。

Ⅱの分野横断的課題では、ⅰ新技術立国・競争力強化、ⅱ人材育成、ⅲスタートアップ、ⅳ金融を通じた潜在力の解放、ⅴ労働市場改革、ⅵ介護・育児等の外部化など負担軽減、ⅶ賃上げ環境整備、ⅷサイバーセキュリティ がリストアップされています。

広範囲のテーマが網羅されていますが、やはり、その中でも、AI・半導体、量子、宇宙、フュージョンエネルギー(核融合発電)、マテリアル、防衛等が高市総理の最優先課題でしょう。単独で、戦略分野として明示されている造船、港湾、防衛、海洋等は、重点分野として焦点が当たっていますが、例えば、社会資本の中でも、道路・河川・公園・住宅等は、戦略分野に「防災・国土強靱化」が入っているものの、上記17+8の25分野における存在感は薄いと言えましょう。

その点、上下水道は、25分野に関連する事項が、数多くあります。この点を意識しての高市総理の「日本成長戦略会議」とシンクロした政策立案・政策遂行が求められます。

具体的には、上下水道分野での防災・国土強靱化は当然ですが、半導体関連の水の供給や半導体排水の下水道としての貢献、膨大な冷却水を必要とするデータセンターの全国立地の拡大への上下水道の寄与、合成生物学・バイオ関連での水処理・汚泥処理技術のイノベーション、上下水道AX(AIトランスフォーメーション)、新技術立国関連での下水サーベイランス技術の活用、上下水道関連で日本が世界をリードする管路更生技術等の海外展開等が挙げられましょう。

いずれにしても、高市総理の「日本成長戦略会議」は、要注目です。

2. 下水処理施設本格改築にあたっての水処理方式大変革の予感

全国で、本格的な下水処理施設の改築更新が始まっています。ウォーターPPP関連の案件も多くなっています。我が国の水処理方式は、日本の下水道事業が本格化した昭和40年代以降、ほとんどの処理場が、「標準活性汚泥法」とその変法を採用してきました。大規模な池構造物を作り、その中に、活性汚泥を入れ、空気を池に吹き込んで、好気的に生物反応処理を行うものです。これが当たり前と考えられてきました。

20年くらい前より、高度処理等で、膜を活用したMBR(膜分離活性汚泥法)が出現しましたが、標準活性汚泥法をベースとした採用でした。それが、ここにきて、水処理方式に新たな動きが出てきています。MBRに加え、MBBR(移動床式生物膜法)、MABR(膜通気式生物膜法)、AGS(好気性グラニュール法)等の登場です。それぞれ、水処理メーカー等の各社が、欧米からの導入や国内開発を進めています。欧米では、MBBR、MABR、AGSが日本に5~10年先行して下水(生活排水)処理として広まっています。いずれも、省エネ、運転コスト削減、省面積、発生汚泥量減、窒素除去等高度処理も可能という処理方式が大部分で、N2Oの除去が可能なものもあります。従来の活性汚泥法と比べ、膜を通して酸素を供給する等理論的にも、効率の良いのは自明で、従来の活性汚泥法より、必要敷地面積は半減、電力消費量3割減といった処理方式が目白押しです。

上記の諸情勢に述べましたような人口減少、土木建築の工事停滞、ウォーターPPP等民間の力の発揮のチャンス増大の中、下水処理施設の本格改築時における新たな水処理方式採用の大変革が起こる予感がします。注目です。いずれの処理方式も、一つのユニットが小規模で、今後の対象人口の変化に柔軟に対応していくには、向いていると思います。

今後の進展のため、国における下水道法施行令の柔軟な運用または改正も必要でしょう。

3.エフェクチュエーション思考による管路危険箇所の早期抽出

「エフェクチュエーション」とは、優れた起業家たちに共通する考え方や行動パターンを研究・体系化した中で、2008年にバージニア大学のサラス・サラスパシー教授によって生み出された経営における新しい考え方・理論で、今や広く世界に認知されているものです。変化の激しい不確実な状況下(VUCAの時代)で、成果を出すための思考・行動理論です。

標準的な従来の行動理論では、目的を先に決めて、そのための情報・技術・人材等を集めて、実行に移す(コーゼーション)のに対し、「エフェクチュエーション」では、目的から逆算するのではなく、手持ちの手段(スキル、人脈、知識、技術等)から始めて、「手元にある資源(手段)で何ができるか」を考えて行動するという思考プロセスで動きます。変化の激しい状況下での手法として、高く評価されています。「今できる資源(手段)で素早く動く」ということです。

八潮の事故に端を発する家田委員会の提言を受けて、全国で、全国特別重点調査等の管路点検と、その結果を受けての修繕・更新が始まっています。下水管路マネジメントの技術基準検討会の中間整理を受けて、今後、本格的に全国の点検・修繕・改築更新がスタートすると思います。

そうした中で、全国に道路陥没の危機にある下水管路危険箇所が一定量あるであろうことを考えると、点検の技術基準・老朽化判定の基準と対応策の提示を待って、それを目標として、さらに基準に沿ったドローン等の技術開発を待って、点検・措置する手法(コーゼーション)では、手遅れになると考えます。

緊急対応として、国が主導して、この「エフェクチュエーション」の考え方を取り、現在時点で、技術的・供給容量的に可能な資源・手段(飛行式ドローン、浮遊式ドローン、水中ドローン等)をフルに活用して、できる範囲で、早急に全国点検をし、対処することが必要なのではないでしょうか。「エフェクチュエーション思考」の活用です。第二の八潮の発生前に、一刻も早く、一気に、できる手法・できる範囲で危険箇所の早期抽出を行い、対処する。これが、今、真っ先に求められているのではないでしょうか。

4. 下水サーベイランスの社会実装の推進

汚水処理人口普及率が94%になった現在、都市のほぼすべての汚水が、下水処理場に流入してきます。その処理場流入水をわずか200ml採水し、濃縮しPCR装置にかけることによって、ほぼすべての感染症ウイルスのRNA濃度を測定できます。(現在、世界では、新型コロナウイルス、インフルエンザA型B型、RSウイルス、サル痘、ノロウイルス、ヒトメタニューモ、エンテロウイルス68、A型肝炎、カンジダ・アウリス、麻疹ウイルス等の検知が下水サーベイランスで行われています。)

感染者は感染した当日から下水道にウイルスを排出します。無症状者・非検診者の状況も的確に素早く把握できます。その濃度の時系列変化を見れば、蔓延が拡大しているのか、収束に向かっているか、感染症の流行傾向が科学的に的確に把握できます。それにより、国・自治体当局や大病院は、感染症病床数・医師の確保・ワクチンの確保の拡大を手配するか等の政策判断を的確に早急に実施できます。また、市民に感染症の流行状況を公表すれば、不要不急の外出は控えようかという市民の行動変容に繋がります。これが「下水サーベイランス」です。「都市の健康診断」です。将来は、「感染症の天気予報」を地域ごとに発表できるようになるでしょう。

6年前からの新型コロナウイルスの流行の前半は、下水サーベイランスの技術が開発途上にあったこともあり、十二分な活用が図れませんでしたが、東京大学の北島正章先生のグループの技術開発により、現在では、処理区内に一日14万人に一人の新型コロナの患者がいても、検知できる精度となっています。日本の技術が世界一です。

EUでは、EU下水道法で、昨年1月1日より、EU加盟国に下水サーベイランスの実施を義務付けました。現在、世界では、数十カ国3500処理場で下水サーベイランスが実施されています。日本は、わずか27箇所です。下水サーベイランスは、下水道の新たな価値創造であり、保健衛生関係者・下水道関係者の連携のもと、社会実装を推進すべきと考えます。

5. 国家的上下水道コンソーシアムの立ち上げ

「上下水道だけで考える思考からの脱却」の具体的政策として、幅広い産業界・官学民の関係者を巻き込んで上下水道の未来を創造する「国家的コンソーシアムの立ち上げ」があります。政府・自治体・民間企業を中心とした三位一体の「国家的上下水道コンソーシアム」の結成です。官民を繋ぐハブとしての機能を果たします。これにより、従来、上下水道界に参入してこなかった各産業界のリーダー企業が加わり、画期的な技術開発、政策が生み出される可能性が高まります。上下水道への国民の関心がこれだけ高まった今だからこそ、可能となった政策です。

Ⅴ. おわりに

これだけ変化の激しい中での上下水道政策の未来を考える時、今後、是非検討すべき大きな課題として、以下があります。

ⅰ. 50年以上の経験ノウハウ・実績・人材・技術を有する日本下水道事業団の活用のあり方
ⅱ. 超大都市の上下水道部局の役割・あり方
ⅲ. 国土交通省直轄上下水道
ⅳ. 上下水道の一体化・統合化、超広域化
ⅴ. システム統合対応(ベンダーロックイン等)

国においては、こうした重要テーマも、是非、議論の俎上に載せ、真摯で真剣な議論をしていただきたいと考えています。

2026年(令和8年)2月記


【筆者略歴】(やと・よしひこ)東京大学工学部都市工学科卒業。建設省入省。1987年西ドイツカールスルーエ大学客員研究員、その後、京都府下水道課長、建設省下水道部下水道事業調整官、東北地方整備局企画部長、国交省下水道事業課長、国交省下水道部長、日本下水道事業団理事長(公募による選任)、㈱NJS取締役技師長兼開発本部長等を歴任。2022年3月より㈱NJSエグゼクティブ・アドバイザー(常任特別顧問)、現在に至る。他に(一社)日本下水サーベイランス協会副会長、(公財)河川財団評議員等を務めている。技術士(上下水道部門(下水道))。著書に「21世紀の水インフラ戦略(理工図書 書き下ろし)」がある。

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「上下水道情報」2033号(2026.2)掲載

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