(42)第1933号 令和2年12月15日(火)発行 たちのノウハウや力を信頼している点も同様に感じました。頼りになった人、仲間の選び方加藤 味方に関連する質問なのですが、頼りになった人がどういう人だったか、一緒に推進する仲間はどういうふうに選べばよいかなどの観点からお話くださいませんか。逆に、こういう人とは組んではいけない、という話でも構いません。有地さんからお願いします。有地 私の場合、山形大学の渡部徹先生がいたことが幸運でした。衛生工学出身にもかかわらず農学部に所属されており、ビストロ下水道を開始するきっかけもつくってくださいました。はじめはGAIA(下水道技術研究開発)プロジェクトからスタートしたこともあり、加藤先生をはじめ、国交省の方たちにも大変お世話になりましたね。加藤 有地さんの場合はJAZZピアニストとしても有名ですが、その関係で加茂水族館の館長さんとも交流されており、幅広い仲間がいるなという印象です。続いて前田さんはいかがですか。厳しい戦いもあったとのことでしたが。前田 私にとって頼りになるのは関係者全員ですね。知らないことは、いろんな人たちに教えていただきました。その中でも一番大きかったのは、平成17年10月に秀島敏行市長が誕生したことです。秀島市長から「下水道や農業のことはお前にすべて任せる」と言われたことで、職員が一丸となってプロジェクトを進めることができました。 9年前に、東京でデザインの仕事をしていた諸富里子さんが佐賀市に戻り、下水道の広報に参画してくれたのも大きかったです。彼女のおかげで、下水道のことを市民に分かりやすく伝えられるようになりました。NPOのメンバーや、加藤先生、岡久宏史・現日本下水道協会理事長らのバックアップも心強かったです。それから、農家の皆さん、下水処理場の管理を委託しているキュウセツAQUA、肥料化事業を委託しているS&K佐賀など、多くの関係者が支えになってくれました。加藤 仲間の選び方という観点からはいかがですか。前田 私は「引き寄せの法則」を大事にしています。来るものを拒まず、去る人を追わない、とでもいいましょうか。自分がやっていることに集まってくれる人は皆、味方だと考え、つながるようにしています。加藤 前田さんの場合、やはり市長から任せられたという点は大きいですよね。一方で、私も何度か佐賀市の下水処理場に訪れているので雰囲気が分かるのですが、委託業者には多くの部分を任せているように感じられます。業者からは、任せられているからやる気が起こる、前向きに考えられるという話も聞きました。 それから、鶴岡市の場合は山形大学の存在が大きいとの話がありましたが、佐賀市の場合はNPOがドライブをかける役割を担っているのかなと感じました。続いて斎藤さんはいかがでしょうか。斎藤 頼りになったのは当時の上司です。もちろん、我々の下水道由来肥料を使っていただき、プロジェクトを支えてくれた峯淳一さんをはじめとした篤農家の皆さんの存在なしには多くを語れません。ほかにも加藤先生をはじめ多くの関係者から支援いただきました。 仲間にしたい人は、学ぶ人、しぶとい人、熱狂的な人、冷静な人、失敗を笑える人、フィードバックを与えてくれる人です。逆に組みたくない人は、学ばない人ですね。「だから」「どうせ」「でも」などのネガティブな言葉を使う人も不適当です。こういう言葉は耳にすると思考に悪影響を与えそうなので、近寄らないようにしています。加藤 はっきりとしたポリシーで素晴らしいです。「冷静」という名の仮面をかぶったネガティブな上司はリーダー失格です。 岩見沢市の場合は峯さんと組めたのが大きかったと思うのですが、最初に誰と組むかは大事ですよね。変わった公務員加藤 次はずっと気になっていたことをあえて質問しようと思うのですが、様々なチャレンジをやられている皆さんが、職場という組織の中ではどのような存在だと思われているのでしょ 第3種郵便物認可斎藤氏(岩見沢市)加藤氏
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