コンセプト下水道 第21~38回
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× イラスト: 諸富里子(環境コンセプトデザイナー)(28)第2001号 令和5年9月5日(火)発行ね。増田 ええ、都市計画部計画課というところにいました。もともと都市計画やまちづくりがやりたかったんです。大学時代も、研究室を選ぶ段階で都市計画の研究室に入りたかったのですが、定員があふれて、ジャンケンで負けたんです。それで構造力学の研究室に入りました。結果的には良い恩師に巡り会えて良かったのですが。加藤 そうだったんですか。大学時代、私は逆にアミダクジが当たって人気があった都市計画の研究室に入りました。都市を志望していたというのは我々の共通項ですが、増田さんはなぜ都市計画を?増田 シンプルですが、まちが好きだからです。構造物だけでなく、街並みや植物も好きですし。実は造園の世界に進もうか迷ったこともありました。加藤 植物が好きだったんですね。それは知らなかった。私はクワガタが好きですが、増田さんは植物で、二人とも生き物好きだったとは。現職時代は話したことがなかったですね。増田 ちなみに盆栽も好きです。父親の影響もあり、中学のときが一番熱中していました。加藤 なんと盆栽ですか。中学生で盆栽とはかなり渋い。 市役所で念願の都市計画に携わったわけですが、そこから国に転職したのはどういう思いから?増田 当時は地方分権の考え方もなく、正直、思うような仕事ができませんでした。地方が主体的にまちづくりをできるよう、国に行って制度を変えたいと思ったのです。ですから建設省でも都市関係の部局を志望していましたが、1年目の配属先が土木研究所になり、下水道の三次処理を研究することに。下水道との関係はそこからです。私のように都市から入った人間からすると、下水道はエリアマネジメントに不可欠な手段として面白いと思いました。加藤 増田さんとは下水道事業や下水道部のあり方に共感するところが多いと思っていましたが、入り口が「都市」で同じだったからかもしれません。いろんな入り口がありますね。頑張る経営者を応援したい加藤 突然会社を立ち上げられて驚いたのですが、こ第3種郵便物認可コンセプト下水道【第38回】(特別対談「熱い人と語ろう!」Vol.18)まちづくりとPPP〜地域と企業を元気に〜 「コンセプト下水道」の特別編として、ゲストを迎え、下水道やコンセプトについて語り合う「熱い人と語ろう!」シリーズ。第18回は国土交通省で 苦楽を共にした増田隆司さんに登場いただきました。同省退職後の2021年9月に合同会社リレイトオールを自ら立ち上げ、代表社員を務めています。まちづくりから下水道へ加藤 年齢が同じ我々2人ですが、増田さんは大学卒業後、明石市役所に3年間勤めた後に建設省に入省、一方の私は大学院卒なので、入省は私が1年先になります。増田 そう、1年後輩です。本省係長時代は加藤さんにいろんなことを教えてもらいました。加藤 40代くらいからは企画専門官や下水道事業調整官など私が後任になることが多く、逆に教えてもらいました。長い役人生活で、常に増田さんと仕事をしてきた気がします。 増田さんは兵庫県加古川市の出身です。入省したての頃、私は県の加古川土木事務所に出向していた時期があったのですが、増田さんが実家に帰省したタイミングに加古川駅で待ち合わせ、一緒にダーツのあるカラオケに行きましたね。増田さんはサザンオールスターズの「YaYa(あの時代を忘れない)」をしみじみと歌っていたのを覚えています。増田 懐かしいですね。加藤 市役所時代は都市計画に携わっていたんですよ増田 隆司合同会社 リレイトオール 代表社員加藤 裕之東京大学 工学系研究科 都市工学専攻下水道システムイノベーション研究室 特任准教授

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