コンセプト下水道 第21~38回
4/70

第1章 コンセプト下水道  ▶BISTRO下水道~グローバルとローカル~ ▶イノベーション~その起こし方と普及理論~ ▶市民科学~「生きもの」を経営戦略の柱に~ ▶アート下水道~感性・主観・構想・暗黙知のチカラ~ ▶官民連携~欧州と日本を比較して~ ▶広域連携~時間と空間の概念~ ▶雨水管理~四つのコンセプト~ ▶災害対応~「戦術」のコンセプト~ ▶東日本大震災から十年~災害対応が人を育て、絆をつくる~ ▶安全と安心の「すき間」~その埋め方のコンセプト~ ▶下水道経営と信頼学~「価値共有・共感」で市民の信頼を~第2章 熱い人と語ろう  ▶味の素ファンデーション・高橋裕典 ▶国土交通省・阿部千雅 ▶東北大学名誉教授・大村達夫 ▶水ジャーナリスト・橋本淳司 ▶横浜ウォーター代表取締役・鈴木慎哉 ▶東京都市大学特別教授・小堀洋美 ▶九州大学名誉教授・楠田哲也 ▶近畿大学教授・浦上拓也 ▶専修大学教授・中村吉明 ▶[座談会]鶴岡市・有地裕之、佐賀市・前田純二、岩見沢市・斎藤貴視第3種郵便物認可 合は難しいと思います。組織統合の初期段階でも必要なことです。そして、リーダーは融合するために共通の目標や文化をつくる必要がありますし、自らが異分野の組織の文化や価値を認め、関心を持つべきだと考えます。いずれにせよ、複雑なマネジメント業務においても心理的安全性が基盤になります。 下水道界でも、今後は、複数企業または官民出資会社による大規模なPPP案件が増えると思います。親会社の顔色ばかりを見ないで、組織の新たな文化を創り出すリーダーの行動を期待しています。顧客・市民対話との心理的安全性 モノづくりが限界を迎え、モノをどう使うかに価値が置かれる時代になりつつあります。モノを使うのは自分が所属する組織の「内」の人ではなく、「外」の顧客・市民です。新たなモノづくりによるイノベーションを興すには「外」の人たちとつながる必要がありますが、その際に、組織のリーダーやスタッフが「外」の発行 【参考文献(一部)】◦ 『Teaming チームが機能するとはどういうことか』(Amy・C・Edmondson著、英知出版発行)◦ 『ザ・グーグルウェイ グーグルを成功へ導いた型破りな戦略』(ベルナール・ジラール著、三角和代・山下理恵子訳、ゴマブックス発行)人たちと何でも言い合える関係性を築かなければなりません。この連載でも何度も行政や民間企業と市民の関係性について言及してきましたが、ここでも心理的安全性の考え方は応用できるのではないでしょうか。今回は主に組織の内部の話をしてきましたが、対外部、対市民にも心理的安全性は効果があるのです。 最後になりましたが組織の幹部の皆様には、冒頭に私が感じたこと、「中期計画はつくったけど、変化に対し、主体である職員が自ら学習して適合し、生き生きと働くような組織をどのようにつくるべきか」をお考えになるヒントになれば幸いです。•目 次• 第1943号 令和3年5月18日(火)発行(47)〒105-0003 東京都港区西新橋2-19-2TEL. 03-6721-5371 FAX. 03-6721-5373体裁 A5判・230ページ価格 1,650円(税込)国土交通省で様々な政策立案と新プロジェクトにより下水道界に新風を吹き込み、現在は東京大学・下水道システムイノベーション研究室で教育と研究活動を続ける著者が、これまでの経験や携わった企画、人との対話などを通じ、独自の理論と感性で下水道のこれからを考察した一冊。出版案内2021年5月31日発刊「下水道情報」で大きな反響の名物連載が一冊に!コンセプト下水道 加藤 裕之 著

元のページ  ../index.html#4

このブックを見る