第1章 コンセプト下水道 ▶BISTRO下水道~グローバルとローカル~ ▶イノベーション~その起こし方と普及理論~ ▶市民科学~「生きもの」を経営戦略の柱に~ ▶アート下水道~感性・主観・構想・暗黙知のチカラ~ ▶官民連携~欧州と日本を比較して~ ▶広域連携~時間と空間の概念~ ▶雨水管理~四つのコンセプト~ ▶災害対応~「戦術」のコンセプト~ ▶東日本大震災から十年~災害対応が人を育て、絆をつくる~ ▶安全と安心の「すき間」~その埋め方のコンセプト~ ▶下水道経営と信頼学~「価値共有・共感」で市民の信頼を~第2章 熱い人と語ろう ▶味の素ファンデーション・高橋裕典 ▶国土交通省・阿部千雅 ▶東北大学名誉教授・大村達夫 ▶水ジャーナリスト・橋本淳司 ▶横浜ウォーター代表取締役・鈴木慎哉 ▶東京都市大学特別教授・小堀洋美 ▶九州大学名誉教授・楠田哲也 ▶近畿大学教授・浦上拓也 ▶専修大学教授・中村吉明 ▶[座談会]鶴岡市・有地裕之、佐賀市・前田純二、岩見沢市・斎藤貴視第3種郵便物認可 考えるのは「感性」のチカラであり人のチカラです。 一方、「知性」(ロジカルシンキング、論理的思考)の面も考えてみます。計算能力ということであれば人間が勝てるはずもない高速処理能力があります(早い・安いの「牛丼」理論)。ただ、ロジカルにものを考えるということは、まず課題を発見し、その解決のための目標(正解)を定める、そして目標に向けて最短の方法を選択し実行する、という手順を取っています。DXがこの手順を取れるか考えてみると、DXに社会課題の認識や発見はできません。例えば温暖化対策について、コンピューターが知らない間に人類の将来を憂いて課題と認識することはあり得ません。また、目標設定についても、社会の反応を踏まえつつ、理想と現実の妥協点を探しながら、いわゆる「総合的に考える」ことができる人間特有の知的行為です。さらには、最短方法の発見も任せきりにしていたら膨大な時間がかかり、「牛丼」理論から外れてメリットがなくなる可能性があります。 このようにDXには、感性の面からもロジカルな面か発行 らも人間のリードが必要になります。「DXと人との協働」、これをコンセプトに、水業界の変革を考えていくべきと思います。そのためには、人はDXを鍛え、リードできるように絶えず学習することが求められることを肝に銘じるべきです(PPPで官に求められることと同じことかもしれません)。 本稿では、今、流行のパーパス経営からDXまで話しを広げてきました。少しでも参考になれば幸いです。•目 次• 第1976号 令和4年9月6日(火)発行(43)〒105-0003 東京都港区西新橋2-19-2TEL. 03-6721-5371 FAX. 03-6721-5373体裁 A5判・230ページ価格 1,650円(税込)国土交通省で様々な政策立案と新プロジェクトにより下水道界に新風を吹き込み、現在は東京大学・下水道システムイノベーション研究室で教育と研究活動を続ける著者が、これまでの経験や携わった企画、人との対話などを通じ、独自の理論と感性で下水道のこれからを考察した一冊。下水道展,22東京のDXパネルディスカッション企業経営層、学識者、自治体等から反響続々出版案内コンセプト下水道 加藤 裕之 著
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