第1章 コンセプト下水道 ▶BISTRO下水道~グローバルとローカル~ ▶イノベーション~その起こし方と普及理論~ ▶市民科学~「生きもの」を経営戦略の柱に~ ▶アート下水道~感性・主観・構想・暗黙知のチカラ~ ▶官民連携~欧州と日本を比較して~ ▶広域連携~時間と空間の概念~ ▶雨水管理~四つのコンセプト~ ▶災害対応~「戦術」のコンセプト~ ▶東日本大震災から十年~災害対応が人を育て、絆をつくる~ ▶安全と安心の「すき間」~その埋め方のコンセプト~ ▶下水道経営と信頼学~「価値共有・共感」で市民の信頼を~第2章 熱い人と語ろう ▶味の素ファンデーション・高橋裕典 ▶国土交通省・阿部千雅 ▶東北大学名誉教授・大村達夫 ▶水ジャーナリスト・橋本淳司 ▶横浜ウォーター代表取締役・鈴木慎哉 ▶東京都市大学特別教授・小堀洋美 ▶九州大学名誉教授・楠田哲也 ▶近畿大学教授・浦上拓也 ▶専修大学教授・中村吉明 ▶[座談会]鶴岡市・有地裕之、佐賀市・前田純二、岩見沢市・斎藤貴視第3種郵便物認可 人的には窮屈すぎるなという印象です。それこそ、そこに住む地域の人たちの目線に下りて話を聞くことが大事かなと思います。面倒ですが、そのワンステップを経ないと、つくったはいいけれど使われず、持続可能でなくなる可能性があります。目標を吟味して、地域ごとにカスタマイズできる能力や柔軟性を持てるといいのかなと思います。加藤 その地域に住む人たちの目線に下りる、というお話で思い出したのは、ある座談会で建築家の隈研吾さんに直接聞いたお話です。建築の設計を行う前にその地域の人たちと一週間くらい続けて酒を飲み交わす、そして地域の人と個性を知り、構想を練ると話されていました。湯澤 分厚い郷土史を読むというよりは、そこに住む人たち自身を知ることが、歴史を知るということだと私は考えています。隈研吾さんの言われることは理に適っていると思いますね。加藤 先日、ビストロ下水道の先進都市として有名な鶴岡市を訪ねられたと伺いました。発行 湯澤 鶴岡市で講演を行う機会があったのですが、その少し前にビストロ下水道のことを知り、ぜひ話を聞いてみたいと思い、市の下水道課を訪ねました。職員の皆さんが楽しそうでワクワクしている姿が印象的でした。私は大学で地域振興の話をすこともあるのですが、まさか鶴岡市のように下水道を核として地域振興に取り組んでいるところがあるとは思いもよりませんでした。その後、講演会で「つるおかコンポスト」の袋を見せたのですが、聴講者の中に「昔からコンポストにお世話になっている」と言う人がいたり、取り組みが地域に根付いていることを実感しました。加藤 それも「つながり」ですね。今回の対談を人文(糞)地理学や社会学と下水道の「つながり」のきっかけにしたいと思います。本日は多岐にわたるお話をありがとうございました。•目 次• 第1953号 令和3年10月5日(火)発行(39)〒105-0003 東京都港区西新橋2-19-2TEL. 03-6721-5371 FAX. 03-6721-5373体裁 A5判・230ページ価格 1,650円(税込)出版案内2021年5月31日発刊企業経営層、学識者、自治体等から反響続々 二刷り完売、三刷り決定国土交通省で様々な政策立案と新プロジェクトにより下水道界に新風を吹き込み、現在は東京大学・下水道システムイノベーション研究室で教育と研究活動を続ける著者が、これまでの経験や携わった企画、人との対話などを通じ、独自の理論と感性で下水道のこれからを考察した一冊。コンセプト下水道 加藤 裕之 著
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