「下水道展 ’23札幌」を開催するにあたり、一言ご挨拶を申し上げます。 下水道展は、下水道事業の管理者である地方公共団体等を対象に、全国の下水道関連企業(団体)の技術開発の成果に基づき、下水道に関する幅広い分野の最新技術・機器、サービス等の展示・紹介と、一般の方々に下水道について理解と関心を持っていただくことを目的として毎年開催しており、今年で35回目を迎える、下水道分野では国内最大の展示会です。これまでに大阪や横浜、北九州など日本各地の会場で開催しており、本年は、昨年市制100周年を迎えた札幌市において、東京都より北にある都市では初めて開催することとなりました。 展示会場は、設計・測量、建設、管路資器材、下水処理、維持管理、その他、パブリックゾーンの各ゾーンに分けられ、本年度の出展規模は299者(913小間)となっております。 会期中は、出展者が、出展内容のより詳細な説明を行うための出展者プレゼンテーションや、札幌市の協力を得て実施される、複数の下水道関連施設を見学しながら巡るテクニカルツアー、国土交通省をはじめ各関連団体が実施する、アセットマネジメントやDXなどをテーマとした約15件のセミナー等が開催されます。 また、農業産出額全国1位の北海道での開催にちなみ、下水汚泥肥料の利活用に関するトークイベントを、中央大学理工学部人間総合理工学科・山村 寛教授や農事組合法人共働学舎新得農場・宮嶋 望代表、自らも農業を営み、俳優・タレントである「TEAM NACS」リーダー・森崎博之氏をお迎えし開催するほか、下水汚泥利用に関する複数の講演や展示等が行われます。 また併催行事として、8月1日〜3日の3日間、下水道研究発表会を、札幌コンベンションセンターにて開催する予定です。下水道に関する最新の研究や事例発表など、自治体関係者をはじめ民間事業者の技術力向上につながる発表会となっております。なお同会場と下水道展の会場(札幌ドーム)を、札幌市によるご協力のもと、両会場を結ぶバスが往復運転する予定ですのでご活用いただき、展示会の観覧とともに論文発表を聴講することで、下水道事業の課題解決につながる情報を、より効果的、効率的に収集していただければと存じます。 地方公共団体と民間企業との交流・意見交換の場とすることを目的に、昨年試験的に実施し、地方公共団体関係者およびご参加いただいた企業・団体にご好評をいただいた「下水道技術情報研修会(ブースツアー)」についても、本年は「研修」として位置付け本格実施する予定です。 ブースツアーでは、正会員の皆様に関心の高い各課題に関する出展内容の複数のブースへ、同じ課題について関心を持つ地方公共団体関係者をグループでご案内するとともに、ブースの観覧後には参加した地方公共団体関係者と出展者間での情報・意見交換の時間(セッション)を設け、下水道事業の課題解決に繋がる情報収集とあわせて相互交流の促進を図ります。 一般来場者に向けたパブリックゾーンでは、札幌市や道内約20都市の協力のもと、「オール北海道・下水道アカデミア」が設置されます。ARを活用した浸水・雨天時の疑似歩行体験や、小型カメラを搭載した点検ロボットで実施する管内調査ゲーム、下水を活用した雪処理の模型展示等を通して、下水道の役割や可能性について楽しみながら学ぶことができます。 あわせてキッチンカーによる北海道内ご当地グルメの提供や特産品の販売などを通じた各都市の魅力の紹介、吹奏楽によるダンプレ(Dance and Play)、YOSAKOIのダンスパフォーマンス、デザインマンホールのレプリカや道内のマンホールカードの展示等を実施することとしております。 昨年の開催ではじめて設置し、多くが売り切れるほどの好評をいただいた、うんこがデザインされたグッズやお菓子などの販売をする「うんカワマルシェ(うんこカワイイグッズマルシェ)」を設置します。本年は、より多くの皆様にお楽しみいただけるよう、在庫管理を含め、よりよい運営を目指してまいりますのでご期待下さい。 本年の開催におきましても、地方公共団体が抱える課題解決につながる技術・製品の情報収集はもちろん、あわせて、多数の出展者や地方自治体関係者など、下水道事業に関わる多くの方々が集うことで関係者間の交流がより活性化される場の創出を目指してまいります。そのために、本年の開催地の札幌市など、今後も開催都市や各自治体、各団体等との連携を強化し、出展者の皆様とともに、より良い展示会とするためこれからも尽力してまいります。 末筆ながら、これまで多大なるご協力をいただきました札幌市をはじめ、多くの関係者各位に心より感謝を申し上げます。臨時増刊「下水道展 ’23札幌」 2023.0805公益社団法人 日本下水道協会 理事長Hirofumi Okahisa国内最大の下水道技術の展示会 札幌初開催!岡久宏史「下水道展’23札幌」の開催にあたって
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