1.マンホール蓋を取り巻くリスク グラウンドマンホール(下水道用マンホール蓋、以下GMと略す)は、下水道施設への入り口であり、また道路の一部としての重要な資器材ですが、そのGM を取り巻く環境は近年大きく変化してきています。 通行車両の増加、大型化に伴いマンホール蓋の表面が摩耗した場合には、スリップによる転倒のリスク(写真1)、多発する集中豪雨時には内圧により蓋が外れる事象や(写真2)、圧力を解放できずにアスファルトごと持ちあげてしまう事例などもあり、技術的にも大きな改善の余地がありました。 また、全国に設置されている約1,600万基のGMのうち、約350万基がこれらの課題を抱えている老朽化したGMといわれており、今後、設置環境に応じて要求される安全性能を有したGMに計画的に更新していくことが求められています。2.次世代型高品位GM ΣーRVの特長 次世代型高品位グラウンドマンホール「Σ−RV」は、これらの課題解決を図るべく開発した製品で、初期性能だけでなく、耐用年数を想定した限界状態設計に基づいて開発しました。RV支持構造は、従来の急勾配受け構造を発展させたもので、角度の異なる2つの勾配を組み合わせて食い込み力を一定以下に制御しながら、がたつき防止性能も要求水準を満足させることを実現させたものです。これに耐スリップ性能を有する表層構造、耐荷重性能を実現する放射リブ構造などを盛り込んだGMがΣ−RVです。 2007年に(公財)日本下水道新技術機構から発刊された「次世代型マンホールふた及び上部壁技術マニュアル」に記載された性能、検査方法に準拠した安全性能を有しており、特に「がたつき防止性能」、「耐荷重性能」、「開放性能」、「耐スリップ性能」という核となる性能においては、耐用年数15年の2倍以上の耐久小 間 番 号■ 札幌ドーム ■臨時増刊「下水道展 ’23札幌」 2023.08性を実現し「建設技術審査証明」を取得しています。3.マンホール蓋の設置基準 2018年12月に改定されたJIS規格でも言及されているように、GMが設置される環境は多岐に亘ることから、設置環境に応じた性能が必要となります(図1)。また、2020年7月に発刊された「効率的なストックマネジメントの実践に向けた下水道用マンホール蓋の設置基準等に関する技術マニュアル」では、設置環境ごとのリスクに対応した性能が要求されることが記載されています。 次世代型高品位グラウンドマンホールは、設置環境によって求められる様々な性能に対応すべく、標準的な位置付けとして車道用を開発した他、歩道用、グレートタイプ、防食タイプや除雪タイプなどのバリエーションを幅広く準備しています(写真3)。4.マンホール蓋の改築効果の向上 今後、老朽化する下水道施設の更新が進められる中、マンホール蓋に関しては網羅的な安全性能を有し、且つ長寿命が期待できる次世代型高品位グラウンドマンホールによるGM改築を進めることで、改築効果を向上でき、より安全・安心な環境整備に寄与できることを期待しています。62写真1 表面が摩耗したGM写真2 内圧により蓋が外れたGM[歩道用]図1 設置環境による要求性能写真3 設置環境に応じた製品[車道用][グレートタイプ][出展者]日之出水道機器株式会社[所在地]〒〒812-8636 福岡市博多区堅粕5-8-18 ヒノデビルディング[連絡先]TEL:092-476-0595 FAX:092-476-0759Eメール:mkt@hinodesuido.co.jp 担当部署:下水道マーケティングG●下水道展 ’23札幌 本紙が注目する今回必見の技術・製品等●出展ゾーン管 路資器材Technologies & Products, etc 2023次世代型高品位GM長寿命+高度な安全性能を実現したマンホール蓋N4-01
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