第3種郵便物認可 第2002号 令和5年9月19日（火）発行（29）3．下水道インフラのBHAG（ビーハグ）実現とINNOVATION（改革）――POLICYINNOVATION（政策改革）とTECHNOLOGICALINNOVATION（技術改革）4．TECHNOLOGICALINNOVATION（技術改革）の一つの具体例としてのドローン・ロボティクスの上下水道インフラ分野での活用化・効率化を図り、民間企業活動、国の関連組織も上下水道一体で対応し、上水道と下水道のパワーの結集を図る。上下水道が結集すれば、公共・公益事業の中でも、最大ストック・最大投資規模クラスの社会資本となる。ⅱ．上下水道界に民間活力を徹底的に投入し、建設・維持管理関連を含めた上下水道インフラ界の国内年間市場規模を10兆円とするとともに、海外展開を加速し、海外市場規模の大幅拡大を図る。ⅲ．直轄上下水道事業を創設し、また、重要政策への国費補助等を含め、国が深く関わるべき部分への、国費投入等を積極的に進める。ⅳ．DX（デジタルトランスフォーメーション）、GX（グリーントランスフォーメーション）、BX（バイオトランスフォーメーション）の「トリプルX」をフルに活用して、上下水道インフラのイノベーションをおこし、上下水道インフラの重要性・魅力を発信し、上下水道インフラ関連の仕事の魅力を拡充・発信し、上下水道インフラ関連業界を学生の就職希望先第一位の業界とする。 上記BHAG実現は、ドラスティックなINNOVATION（改革）がなければ、実現は、かなり、難しいでしょう。そのINNOVATIONには、POLICY INNOVATION（政策改革）とTECHNOLOGICAL INNOVATION（技術改革）があります。この両方が実現して初めて、上記BHAGの達成が見えてくると思います。「BHAG」とは、向こう見ずともいえる目標です。そう簡単に達成できないところに、価値があります。POLICY INNOVATIONは、法律改正、制度改正、国家ビジョンの策定、官民の役割分担の大改革、費用負担論の大改革等といった内容が考えられます。TECHNOLOGICAL INNOVATIONは、上下水道界のインスペクション技術、メンテナンス技術、ランニング技術、コンストラクション技術、経営技術、システム関連技術等の改革等から構成されると思います。 「下水道の散歩道」第１回において、TECHNOLOGICAL INNOVATIONの例として、㈱NJSで当時開発途上だった「管路等閉鎖性空間飛行・点検調査用ドローン」の紹介をさせていただきました。あれから６年、㈱NJSにおける点検調査用ドローン・ロボティクスは、劇的に進化し、３年前には、ドローン・ロボティクス専門の子会社「FINDi（ファインド・アイ）」を立ち上げ、順調に業務拡張を図っています。今回、TECHNOLOGY INNOVATIONの具体事例として、FINDiの、ドローン・ロボティクスの最新状況をご紹介させていただきます。 ６年前に、下水管路という閉鎖性空間におけるドローンの飛行に世界で初めて成功し、下水道インフラのインスペクション（点検）へのドローンの活用を本格的にスタートしました。当時はまだ、緒に就いたばかりでしたが、現在は、①管路内空間飛行ドローン（Air Slider：エアスライダー）による管路内点検、②管路内水面走行ドローン（Water Slider：ウォータースライダー）による主として大中口径管路内点検、➂水中ドローンによる上水道の配水池・浄水池、下水道の沈殿池等の水槽構造物や放流管路の点検、④新しいカメラ車（LUCY：ルーシー）による主として小口径管路内点検―の四つのカテゴリーでそれぞれ㈱NJS独自に開発した国産技術を用いて、インスペクションを展開しています。 ①のAir Sliderの写真と標準仕様は写真１、表１のとおりです。現在まで、４万9392mの点検実績があります。 ②のWater Sliderの写真と標準仕様は、写真２、表２のとおりです。現在まで、３万0069mの点検実績があります。ここ１～２年、急速に実績を伸ばしており、北海道の三箇所の流域下水道の幹線管路の多くを含め、全国の流域下水道管路、公共下水道大口径管路の点検に活躍しています。 ③の水中ドローンの写真と標準仕様は、写真３、表３のとおりです。国産水中ドローン製作の４番目の会社として、市場参入しました。㈱NJS実施の調査と連動して、NJS独自仕様の水中ドローンを使用してきましたが、今年６月から機体のみでの販売も開始したところ、展示会等で注目され、早速、第一号の受注に繋がりました。現在までの調査実績は配水池４池、取水管および雨水管2300m、吐口３個所です。 ④のLUCYの写真と標準仕様は、写真４、表４のとおりです。LUCYは、世界的工作メーカー「スギノマシン」さんとの共同開発による
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