下水道の散歩道 第34-63回
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(32)第1998号 令和5年7月25日(火)発行 表1 日本下水サーベイランス協会(JWWSA)発足後今日まで1年間の経緯2022 5/125/246月内閣官房(6/13)、厚生労働省(6/21)、国土交通省(6/13)と意見7/4委員会活動開始8/1国土交通省下水道部長へ提案書提出、意見交換8/31厚生労働省へ提案、意見交換12/21日本下水サーベイランス協会設立記念講演会開催2023 1/162/3自由民主党政務調査会下水道・浄化槽対策特別委員会で「下水サーベイ2/10自由民主党政務調査会下水道・浄化槽対策特別委員会で「下水サーベイランスの集中審議」第2回。先進地方自治体(札幌市・小松市・養父市)・大学より意見聴取2/13自由民主党山本有二衆議院議員、衆議院予算委員会で下水サーベイラン2/16自由民主党政務調査会下水道・浄化槽対策特別委員会で「下水サーベイ3/20公明党塩田博昭参議院議員、参議院予算委員会で下水サーベイランス推進について質疑。その後、4/7参議院本会議、4/18内閣委員会・厚生労働委員会連合審査会、4/18内閣委員会において、3回にわたり、下水サーベイランス推進について質疑6/13第1回定時社員総会 第3種郵便物認可モデルで図4 スイスチーズモデルの考え方JWWSA設立JWWSA設立発表会。第一回理事会開催交換7/4第一回総務委員会、7/8第一回技術委員会、7/15第一回企画委員会企画委員会幹事会始動(活用の手引き(Q&A)作成等)ランスの集中審議」第1回。協会より要望等発表ス推進について質疑ランスの推進に関する決議」なされる成功事例都市では、昨年夏以降、毎週、ホームページ、LINE、市役所建物の信号色のライトアップ等で、市民の方々に、直近の感染状況動向を公表しています。 行政や医療関係者の中で、すでに、保健医療体制の強化を図るか否かの判断や、ワクチンの確保等の判断に活用されており、医療関係者からも、下水サーベイランスの早急な社会実装を求める声がでています。養父市の市民アンケートでは、下水サーベイランスの公表を認知している市民のうち、6割の市民が、感染が拡大しているという警告が市から出た際に、不要不急の外出を自粛したり、自宅待機をしたりしたと答えており、多くの行動変容に繋がる効果が判明しています。 将来は、下水サーベイランスを活用して、多様な感染症への対応の他、下水処理施設入り口の採水・水質分析で、その都市独特の市民の食生活傾向を把握し、長寿のための市民へのアドバイス(例えば、当該都市は、油分や塩分量が他都市より多いので、減塩等の注意をといったアドバイス等)ができるようになるのではないでしょうか。まさに、都市の静脈である下水道インフラの下水の採水・分析による「下水サーベイランス」は、地域の暮らしと健康を守る有効な危機管理・健康管理ツールなのです。人間の健康診断時の静脈血採取による血液検査にあたります。6. 下水道インフラは都市の「情報インフラ」、下水道インフラのミッション拡大へ 下水道インフラは、川・海等の水質保全、都市の浸水防除、都市の衛生確保等、重要なミッション(使命)を果たしています。その中で、新たに、都市における感染症等の拡大状況等危機管理情報を発信する「情報インフラ」としてのミッションがクローズアップされてきました。こうしたことができるようになったのは、下水道普及率が全国で90%と、ほぼ、日本中に普及が行きわたったことにもよります。また、下水サーベイランスは、将来、可能性の十分ある「バイオテロ」対策としても、有効です。下水サーベイランスの社会実装は、国家防衛対策でもあります。 このタイミングで、一気に、日本中の200箇所の下水処理施設をモニタリングポイントに指定し、定期的観測を続ける下水サーベイランス・モニタリング体制を構築すべきと考えます。7. 感染症対策はスイスチーズ 国際的に、感染症対策の基本は、「スイスチーズモデル」の考え方でと言われています(図4参照)。穴の開いている場所がばらばらのスイスチーズを重ね合わせると、上から水をかけても穴の位置が違うため水が抜けません。そのように感染症対策のような重要な施策は、重層的な手段を組み合わせて実行すべきという考え方です。スイスチーズモデルの考え方に基づき、我が国でも、定点把握等と併せて、早急に下水サーベイランスの社会実装を実施すべきと考えます。6月16日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2023(骨太の方針2023)」におきましても、「新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類に変更されたことに伴い、基本的な感染対策を推進しつつ、重層的な流行状

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