下水道の散歩道 第34-63回
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下水道の散歩道1. 水コン協(公益社団法人全国上下水道コンサルタント協会)の新行動指針・第三期中期行動計画、策定される2. 「骨太の方針2022」の骨子・注目点[第56回](40)第1973号 令和4年7月26日(火)発行 第3種郵便物認可(一社)日本下水サーベイランス協会 副会長谷戸 善彦「水コン協の新行動指針・第三期中期行動計画(2022-2024)」と「骨太の方針2022」―岸田政権と水コン協の目指す方向(ベクトル)は同じ― 水コン協の今後3年間の新しい行動指針となる「第三期中期行動計画(2022-2024)」が、5月12日の理事会で決定され、6月9日の定時社員総会で、公表されました。内外の急激な変化が続く現況を踏まえ、今後3年間の水コンサルタントと水コン協の行動の礎を明示したものです。パーパス(社会的存在意義)は、「水システムを通して地域・都市を豊かに」としました。ビジョン(どこを目指すか)は、「これからの上下水道サービスの担い手としての挑戦」です。水コン協企画委員長として、昨年秋以降、半年間にわたり策定に携わってきました。本稿では、時を同じくして、6月7日に閣議決定された「骨太の方針2022」と、重ね合わせながら、水コン協の新行動指針・「第三期中期行動計画」を概観したいと思います。 政府の令和5年度概算要求の基本指針となる「骨太の方針2022(経済財政運営と改革の基本方針イラスト:PIXTA㈱NJS エグゼクティブ・アドバイザー(常任特別顧問)◦ 民間で公的役割を担う新たな法◦ 民間にとっての利便性向上の観点から、財団・社団等の既存の法人形態の改革を検討。3. この3年間の内外の急激な環境変化を総括2022)」の骨子・今年の注目点は次の通りです。(1)政策実施の基本的考え方①二段構えで対応。まず、第一弾として、総合緊急対策で、コロナ禍からの回復を確かなものとし、物価高騰から、国民生活を守る。第二弾として、岸田総理の言う「新しい資本主義」に向けた実行計画を早急に具体化し、実行。②官と民が協力して、計画的・重点的な投資と改革を行い、課題解決と経済成長を同時に実現。(2) 「新しい資本主義」に向けた重点投資分野は以下の5分野 ア.人への投資、イ.科学技術・イノベーションへの投資、ウ.スタートアップへの投資、エ.GX(グリーントランスフォーメーション)への投資、オ.DX(デジタルトランスフォーメーション)への投資。 この5分野が、令和5年度概算要求において、重点要求分野となります。(3)注目すべき具体策①民間による社会的価値の創造◦PPP/PFI活用による官民連携の推進。今後5年間を「重点実行期間」とする。コンセッションを幅広く導入。水道・下水道等の先行事例の横展開を強化。PPP/PFIの活用が促進されるよう、交付金等の制度改善検討。◦ 民間の創意工夫の一層の発揮に向け、提案者へのインセンティブ付与等民間提案制度の強化に取り組む。人形態の検討。②デジタル田園都市国家構想◦ この推進力として、PPP/PFIを活用。③分散型国づくり④防災・減災、国土強靭化に必要・十分な予算を確保することを明言。 「骨太の方針2022」は、ここ2ヵ月で、策定されたものです。水コン協の「第三期中期行動計画」は昨秋来、半年間、種々のアンケート・意見聴取を重ねて、策定してきたもので、策定時期のずれがありますが、狙い・要点に関するベクトル(方向性)が、かなり一致している印象があります。 以下、「第三期中期行動計画」策定の流れ・特色・主たる内容について、述べたいと思います。 水コン協では、「第三期中期行動計画」を策定するにあたり、まず、最初に、内外の環境変化についての認識を整理しました。 第二期中期行動計画を策定した2019年5月から、3年しか経過していません。しかし、上下水道界・水コンサルタント・水コン協を巡る環境は、大きく変化しました。その変化の内容は多岐にわたり、

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