下水道の散歩道 第34-63回
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■5月に、「下水サーベイランス」関係について、国会審議がありました。[5月10日 参議院国土交通委員会 公明党塩田博昭議員質問]このように、下水サーベイランスは、非常に注目されています。【著者略歴】1974年3月、東京大学工学部都市工学科卒業。同年4月、建設省入省。都市局下水道部下水道事業課配属。1987年西ドイツカールスルーエ大学客員研究員、1991年京都府下水道課長、その後、建設省下水道事業課建設専門官(予算総括)、同下水道事業調整官、東北地方整備局企画部長、国交省下水道事業課長、国交省下水道部長、日本下水道事業団理事、日本下水道事業団理事長(公募による選任)、㈱NJS取締役技師長兼開発本部長等を歴任。2022年3月より㈱NJSエグゼクティブ・アドバイザー(特別顧問)。2022年5月より一般社団法人日本下水サーベイランス協会副会長。著書に「21世紀の水インフラ戦略(理工図書 書き下ろし)」がある。 ● 「下水道の散歩道」は、本年度より2ヵ月に一度、奇数月の後半に掲載します。[国会最新情報]第3種郵便物認可 第1969号 令和4年5月31日(火)発行(43)5. 協会の取り組み課題と対応方針6. 日本下水サーベイランス協会の新たな展開に向けて(企画委員会)・ 協会運営の基本方針、中長期計画策定・実証の効果評価、社会実装へのロードマップの策定・下水サーベイランスの全国的展開の体制整備と普及推進方策の確立・実施・関係官公庁等への提案・協力・意見具申・意見交換当座のテーマとして、令和5年度以降の予算の確保に向けての行動等(技術委員会)・下水サーベイランスの社会実装に関する調査・研究・支援・会員企業・大学とともに下水サーベイランス推進にあたっての技術的課題解決の実践、社会実装支援のためのガイドライン(指針・基準)策定・我が国の下水サーベイランスデータの集約、プラットフォーム化。データの解析によるガイドライン(指針・基準)改訂等社会実装推進への寄与・下水サーベイランス社会実装関連の資格の制定・下水サーベイランスに関する研究発表会、講習会の開催・国内外の下水サーベイランス社(塩田議員) 下水サーベイランスは、技術の活用を検討するという段階から、一歩前に進めて、社会実装の取り組みを開始する段階に来ていると思うが、国土交通大臣の考え如何。(斉藤国土交通大臣) 管路網が都市に張り巡らされているという下水道の特性を生かして、下水サーベイランスを進めている。下水中の新型コロナウイルスRNA濃度と、新規感染者数の相関関係も明らかになりつつある。3月には、下水サーベイランスのガイドラインも発出した。国土交通省としても、関係省庁と連携して、積極的に取り組んでまいる所存。会実装状況把握・国内外の下水サーベイランス研究の最新動向把握 目的達成に向けた「取り組み課題と対応方針」として、以下を考えています。(1) 下水サーベイランスの社会的① 下水サーベイランスの有効性・効果を明らかにする(陽性者数データの補完データとしての有効性の明確化、介護施設等の個別施設での下水サーベイランスの経済性・有効性の明確化等)② その上で、実績の集約・共有、そのためのプラットフォーム化を進める③ 国、自治体との意識共有のもと、市民、社会一般への発信(2) 下水サーベイランス技術の確 サンプリング・分析・予測等に関する技術について、技術を評価し、確立し、標準化を図る。 また、海外技術の確認、海外への本邦技術の輸出等も重要(3) 下水サーベイランスの専門家認知の向上立と普及育成、会員の裾野拡大 日本下水サーベイランス協会は、英語表記をJWWSA(Japan Wastewater Surveillance Association)としました。JWWSAとしましては、まず、4月27日に公募が発出された「内閣官房の実証事業」への各会員企業・大学の対応等の情報共有とフォローをしつつ、本格的な社会実装に向けての課題の解決に向けた種々の活動を展開していきたいと考えています。関係官公庁との意見交換、法律・制度改正の提案、下水サーベイランスに関するガイドライン策定等に向け、各委員会を中心に本格的な活動をスタートする予定です。協会への新規加入は大歓迎です。加入の問い合わせ・要望・質問等ご連絡は、遠慮なく、下記へお願いします。● 一般社団法人日本下水サーベイランス協会 事務局  association-info@jwwsa.or.jp 電話:03-6373-6847 事務局長 松永徹

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