表 日本下水サーベイランス協会役員・理事等村上 雅亮㈱NJS 代表取締役社長小林 博幸塩野義製薬㈱ DX推進本部デジタルインテリジェンス会 長副会長的場 俊英㈱島津製作所 執行役員分析計測事業部副事業部長八十島 誠㈱島津テクノリサーチ 環境事業部副事業部長兼分析副会長副会長副会長専務理事木崎 光章㈱ブレス 執行役員理事理事理事理事理事監事本多 了北島 正章北海道大学大学院 工学研究院環境工学部門准教授片柳 良和㈱グッドハウス 代表取締役会長古賀 正敏㈱AdvanSentinel 代表取締役社長服部 博光管清工業㈱ 経営企画室室長川崎 達下水道の散歩道1．はじめに 2022年５月12日、「一般社団法人日本下水サーベイランス協会」が設立されました。全世界における2020年以降の新型コロナウイルス感染症蔓延の中、発症の検知・蔓延状況の傾向把握・終息の検知等に有効と考えられる「下水サーベイランス（WBE:Wastewater Based Epidemiology下水疫学）」の社会実装に向けて、産業界とアカデミア（学界）が連携して設立した一般社団法人です。筆者らが提唱し、発起人となり、設立準備を進めてまいりましたので、その概要を述べさせていただきたいと思います。 ５月24日には、第一回理事会が開催され、産業界・アカデミアからなる下表の役員・理事が決まり、本格的な活動が始まりました。2．下水サーベイランスとは 2020年の全世界での新型コロナウイルスの感染拡大以降、感染者の便等からトイレを経由し下水道に流入した下水の中の新型コロナ［第55回］（42）第1969号 令和4年5月31日（火）発行 部部長研究センター長谷戸 善彦㈱FINDi 顧問金沢大学 地球社会基盤学系教授㈱水道アセットサービス 代表取締役社長第3種郵便物認可（一社）日本下水サーベイランス協会副会長㈱NJSエグゼクティブ・アドバイザー（特別顧問）谷戸 善彦「一般社団法人日本下水サーベイランス協会」の設立 ―WBE（下水疫学）の社会実装に向けて―パーパスン）・事業内容イラスト：PIXTAウイルスRNAの検出・濃度測定により、地域の感染拡大予測やある一定のエリア内の感染者有無の特定がなされてきました。この研究の進化は早く、世界中で社会実装が進んできています。こうしたWBEのことを日本政府は、最近は公式に、「下水サーベイランス」と呼んでいます。 「一般社団法人日本下水サーベイランス協会」の定款における「下水サーベイランス」は、「下水等の環境水中の病原体等を分析することにより、集団レベルの疫学情報を取得する調査のこと」と定義しています。当座の、下水中の新型コロナウイルスRNAの分析により集団レベルの疫学情報を得て感染防止に対応することにとどまらず、他の感染症等への対応も視野に入れています。3． 協会設立の社会的意義・ 2021年11月16日、内閣官房・厚生労働省・国土交通省連名で、「下水サーベイランスに関する推進計画」が発布され、下水サーベイランス推進に向けての官・学・民挙げての動きが加速しています。また、令和３年度補正予算等において、下水サーベイランスの実証・社会実装のための財政措置がなされ、2022年４月27日には、内閣官房から、「下水サーベイランスの活用に関する実証事業」の公募が発表されました。このように我が国においても、下水サーベイランスの本格的な社会実装に向けての環境が整ってきました。この時機を捉えて、下水サーベイランスに関係する企業とアカデミア（学界）が連携して「一般社団法人日本下水サーベイランス協会」を設立し、下水サーベイランスの推進を図り、効果的に集団レベルの疫学情報を取得し、感染防止に貢献したいと考えています。4． 協会活動の目的（ビジョ 協会は、上記パーパスのもと、下水サーベイランスの「社会実装の実現」を目的（ビジョン）としています。 事業内容は、以下です。① 下水サーベイランスの社会実装に関する調査・研究・支援② 下水サーベイランスの社会実装に資する指針の策定、基準の策定、資格の制定等③ 下水サーベイランスの全国的展開の体制整備と普及推進方策の確立・実施④ 下水サーベイランスに関し、関係官公庁の施策等に対する協力、要望提出、意見具申等⑤ 下水サーベイランスに関する国内外の情報の収集と会員への提供、機関誌の発行等⑥ 下水サーベイランスに関する研究発表会、講習会等の開催⑦ 前各号に掲げる事業に付帯または関連する事業 こうした事業展開を図るため、総務委員会、企画委員会、技術委員会を設置しています。各委員会の主要活動は、以下を予定しています。（総務委員会）・会員拡大・広報活動・規程等整備・単年度事業計画・予算関係・決算関係・総会・理事会等の事務運営
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