について■1月に、「下水サーベイランス」関係について、2件、国会審議がありました。[1月19日 参議院議院運営委員会 公明党 塩田博昭議員質問](塩田議員)公明党の国土交通委員会のメンバーで、1月11日に、仙台市と東北大学を下水サーベイランス関係で視察した。最新の手法を使えば、10万人に1人の感染者でも、最下流の処理場の下水の調査でウイルスを検知できるとのこと。オリパラの選手村でも、毎日検査に活用され、実績を挙げた。人のPCR検査では、検査を受けなければ、陽性者を特定できないが、無症状者でも、下水疫学調査だと、とらえることができる。見えない感染を見える化できる。感染者の増減の全体像の把握等に、下水疫学調査を活用できる。下水疫学調査の取り組みについて、大臣の見解を伺う。(山際新型コロナ対策担当大臣)10万人に1人の感染者を検知できるのは本当にすごい話だと思う。ウイルス濃度による感染者数の推計等について、引き続き検討している。それを、令和3年度の補正予算できちんと措置してさらに研究を進めるよう、手当てしている。下水疫学調査を有効に活用できるようにしていきたいというのが国の方針なので、ご指摘を踏まえながら、前に進めたいと思っている。[1月31日 衆議院予算委員会 立憲民主党 江田憲司議員質問](江田議員) 検査キットの不足の中、学校や保育園のマンホールを開けて下水道サーベイランス検査をするべきではないか。下水道サーベイランス検査は、もう実用化されている。(厚生労働省健康局長)下水道サーベイランス検査は「下水サーベイランスに関する推進計画」を作って内閣官房、厚生労働省、国土交通省で取り組んでいる。感染状況の推計手法等、検討しているところ。(江田議員)今、検査キットがない。総理、下水サーベイランス検査、やりましょう。(岸田総理)引き続き、科学的な見地から、取り組みを考えていく。[国会最新情報]第3種郵便物認可 第1962号 令和4年2月22日(火)発行(39)4.おわりに専門会議を設置し、今夏までに、「人的資本に関する情報開示指針」を策定することにしています。 「人的資本」関係では、人材育成手法、人材教育の中のリスキリング(学び直し)、ワークエンゲージメント(仕事に対する熱意・愛社精神)の醸成施策が今後、重要になると考えています。(2) 「将来を見据えた技術開発」 技術開発は、財務諸表の中にも、費用としては、販管費等に計上され、財務情報の一部ですが、特に「将来を見据えた技術開発」に関する情報は、非財務情報として、大変重要な要素だと考えます。下水道インフラの世界で、私が、最近関心を持っている「将来を見据えた技術開発候補」としては、以下を挙げることができます。① 脱炭素化を徹底するための水処このように、下水サーベイランス(下水疫学)調査は、ここにきて、非常に注目されています。理・汚泥処理の抜本改革。活性汚泥法の抜本見直し等。② エネルギーハーベスティング(微量エネルギー活用)。微細な水の動き等の振動から得られるエネルギーを活用し管路内・マンホール内センサーによる水位検知・水質検知センサリング。その活用による都市の水量・水質コントロール、疫病発生等の都市危機情報の発信。③ 水処理における微生物燃料電池の実用化。 ④ 自己治癒型コンクリート、脱炭素コンクリートの開発。⑤ すべての口径に対応した自走式下水管路点検ドローンと補修ロボットの開発。 自治体の上下水道経営は、企業会計の適用が義務付けられてきており、まさに、会社経営に準じた形での経営が求められています。会社法改正や金融庁・東京証券取引所のコーポレートガバナンスコード改訂により、年々、企業の改革と、その内容を反映した財務情報・非財務情報の開示が厳しく求められてきています。特に、今後は、非財務指標においても、目標として定量的なKPI(重要業績評価指標)を設定し、その達成を目指すことが強く求められることになると思います。 住民の付託を受けて経営している自治体の、特に、上下水道部門では、企業に準じた客観的評価と開示が必要となってくるでしょう。その際、非財務情報の重要性がより一層、高まると考えます。
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