下水道の散歩道 第34-63回
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4-3 長期的政策 長期的政策として、以下を提示したいと考えます。① 東京一極集中は、首都圏直下地震・ウイルス蔓延等のリスクを考えると望ましくない。東京を中心としながらも、全国に多極分散型都市を持つ国土構造を志向する。地方中枢都市が育つよう支援・制度構築を行う。DX最先端のスマートシティの整備を進める。5. ダブルパンチ下の下水道イ6.おわりに 7月に入っての異常な連日の全国的豪雨、これは、地球温暖化と共に、これから毎年、日本を襲い続けるのではないでしょうか。コロナ対応と合わせて、このダブルパンチをクリアーしていかなければならない国は、世界中でも、日本だけかもしれません。しかし、我々は、日本人の勤勉性・他人への優しさ・ものづくりの技術力、国土づくりの力からして、必ず克服できると思います。その過程で、DX・CX等デジタル化が進み、国土の再編成がなされれば、日本は再び、世界中から注目される力強い国となるでしょう。日本が、多様な価値観を持ち、多様性を重視しつつ、安全・安心で、生産性が高く、経済的に豊かで、国民皆が幸福感を持つ素晴らしい国になることを、国民挙げて目指したいと思います。第3種郵便物認可 第1923号 令和2年7月28日(火)発行(27)ンフラ政策と考えます。しかし、GDPの2倍超に積みあがった国の債務残高は、異常です。国は、この圧縮への道筋を明示するとともに、今後の第二波・第三波や次の新たな新型ウイルスの来襲の際にも、同じような手当てをするのかという基本方針を持つことが重要です。その際の対応は、ゼロか100かではなく、真に重要なもの、予測不能であったものへの重点投資だと考えます。② 「自助・共助」の意識を今まで以上に前面に 今回の新型コロナは、誰もがほとんど予測しなかった事態でした。しかし、今後の、新たな感染症リスクや、また豪雨災害リスクに対しては、真に必要なものに対する「公助」は、中心に据えながらも、国民が、可能な範囲で「自助・共助」を準備、またチャレンジし、国が、その支援・技術開発的なサポート等を行うという考え方を今まで以上に前面に出すべきと考えます。③ 我が国の将来のために、真に重要な事項には重点投資を 日本の将来の発展のために、真に重要な事項には、重点的に財政出動をすべきでしょう。それは、教育・環境・技術開発・デジタルトランスフォーメーション(DX)です。あと、「カネ」「ヒト」の面も含め、民間企業の力をフルに活用する政策を打ち出すべきです。4-2 短中期的政策 短中期的政策として、以下を挙げたいと思います。① 財政規律の道筋を示した上での対応を基本とする。自助、共助が的確に動く仕組みとツールを早急に国を挙げて整備する。② 豪雨・地震・火山爆発・ウイルス蔓延の事前予測精度の劇的向上を図る。そのための研究・技術開発を促進する。また、その予測を速やかに全国民にもれなく伝達する仕組みとツールを早急に整備する。通信では、地上アナログ放送のデジタル化により空き周波数となった170~202.5MHz帯を用いる防災用無線通信システムWi-RAN(Wireless Regional Area Network)の活用が極めて有効である。③ 三密回避の避難場所の在り方確立と整備拡充、避難場所の周知、日頃からの全国民の自助・共助意識の徹底を図る。④ 外水・内水被害のハザードマップ、土砂災害ハザードマップ、津波ハザードマップ、火山被害ハザードマップ等を包括的にまとめた「全国安全度マップ」の作成、「全国利便性・快適性マップ」の作成、それらを総合的にまとめた「全国住みよさマップ」の作成・公表を行い、全国民が自らの状況を的確に把握し、自助や居住地選択に繋げられるようにする。⑤ ハード対策については、優先度を考えたロードマップの策定とそれに従った対応を着実に実行する。実行にあたっては、景観・環境配慮も重要。後世に美しい日本を残していく。⑥ アフターコロナ対策に関しては、経済との共存のなか、それぞれの企業で多様な選択をしていく。国はそれを支援する。⑦ DX(デジタルトランスフォーメーション)、CX(コーポレートトランスフォーメーション)の国を挙げての推進。② 都市計画により、浸水危険区域等、危険度の高い地域における新規の居住・増築等を制限する。今後の人口減少により、こうした制度の実行可能性は高まると考えられる。③ 豪雨の常態化対策として、長期的には、あらゆる面からの地球温暖化対策を実行する。④ 費用効果を的確に算出し、災害対応のハード対策を着実に実施する。民間の資金・技術・知恵をフルに活用する施策を推進する。 ダブルパンチ下での下水道インフラ政策も重要です。以下を提示したいと思います。① ウイルス対策として、WBE (Wastewater Based Epidemiology下水道疫学)の徹底的な研究・開発が重要です。新型コロナウイルスは感染者のし尿からトイレを経て下水道に入ります。下水中のコロナウイルスのRNAを分析することにより、コロナウイルスによる感染症の蔓延予測・終息判断ができることが、世界中の研究で、わかってきています。ただ、その際、「RNAは残存するため検知が可能であるが、ウイルスは早期に不活化すること」と「処理水は消毒され、安全であること」をエビデンスとともに的確に国民に伝えることが重要です。② 豪雨災害の中で、下水道の不備による内水災害が大きなウエイトを占めること、下水道インフラによる対応が必要なことを実例を添えて国民にアピールすることが必須です。③ 下水道インフラの整備・改築更新・維持管理・経営管理等あらゆる分野において、イノベーションによるコスト削減、効率性向上、安全性向上、質向上の4点を図ることが必要です。自動化・無人化・ロボット化も、重要です。④ あらゆる局面において、今後、民間の資金・技術・知恵の活用が望まれます。

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