2020年版世界幸福度ランキング(トップテンと日本)2020年フィンランドデンマークスイスアイスランドノルウェーオランダスウェーデンニュージーランドオーストリアルクセンブルク62位153ヵ国下水道の散歩道㈱NJS 取締役 開発本部長(公社)全国上下水道コンサルタント協会 企画委員長谷戸 善彦[第31回]2018年フィンランドノルウェーデンマークアイスランドスイスオランダカナダニュージーランドスウェーデンオーストラリア54位1位2位3位4位5位6位7位8位9位10位日本(38)第1916号 令和2年4月21日(火)発行 対象国数156ヵ国2019年フィンランドデンマークノルウェーアイスランドオランダスイススウェーデンニュージーランドカナダオーストリア58位156ヵ国第3種郵便物認可そしてポストコロナを今から考える―イラスト:PIXTA 今年は、世界中が新型コロナウイルス対応で大変な中、「世界幸福度ランキング」の発表は見送られるのかなと思っていましたが、予定通り、発表されました。こんな時こそ、新型コロナ終息後への希望をという国連の考え方は、本当に素晴らしいと思います。目先の新型コロナ対応に必死になっている時こそ、「このピンチをチャンスに変えるためには、今何をすべきか」また、「このピンチが過ぎた後のポストコロナの対応を今から考える」ことが大切です。 今やるべき大事な対応として具体的に言える一つは、「この新型コロナパニックは、デジタルトランスフォーメーション(DX)の前倒しのチャンスになる。日本社会全体でDXを加速させなければならない」ことです。特に、教育・医療・行政・働き方改革(労働)分野でのDX・ICT改革の必要性は非常に高いと考えます。我が国のDX・ICT改革の遅れが白日の下にさらされました。初等中等教育の分野でのデジタル化の遅れ、それによる学業・社会教育の遅滞の影響は、甚大です。初等中等教育時代の2ヵ月・3ヵ月というのは、非常に大きな貴重な時間です。学校等教育現場のオンライン・デジタル授業は、即、他の施策に先駆けて実現すべきです。 下水道インフラの分野でも、ICTを徹底的に活用した下水処理施設・管路施設等の点検・管理の遠隔操作・自動制御、下水道マネジメントプラットフォームの構築、下水道界における在宅ワーク等による働き方改革が急速に進む契機となればと思います。 下水道インフラ分野において、今後に生かすため、「新型コロナパニック」のこの時期に検討・総括すべき事項として、次の諸点があると考えています。①下水処理場で処理された処理水の新型コロナウイルスに対する安全性をエビデンスをつけて証明すること。塩素等による消毒効果をきちんと証明すべきでしょう。②下水管路内・下水処理施設で働く人の新型ウイルス感染からの安全対策の強化。下水管路内を無人で飛行して、管路内に一切人が入ることなく点検調査を安全にできる「閉鎖性空間点検調査用ドローン」等のロボットの活用など、ICT・新技術を使った効率的な衛生・安全対策が必要です。③下水管路内から下水を採取し、そのウイルス分析により、近い将来の感染症の広がりの予測を行うことの検討。オランダでの研究がすでに発表されています。④下水道整備が進み、街が清潔化したことが、過去と比べ、今回、ウイルスの蔓延を大きく抑えたというエビデンスを伴っての証明。下水道の整備とウイルス蔓延度の逆相関の証明ができたらと思います。ちょうど100年前、1918年から1920年にかけて発生したインフルエンザ系パンデミックの第一号新型コロナウイルスに立ち向かう―ピンチをチャンスに今やること、1.はじめに 前回、下水道の散歩道第30回で、国連発表の「世界幸福度ランキング」の話をしました。今年も、その2020年版が、国際幸福デー(The International Day of Happiness)の3月20日に発表されました。今年のランキングは、表の通りです。 3年連続で、フィンランドが世界一になりました。北欧諸国が今年も、上位を占めています。日本は、毎年、順位を下げ、今年は62位でした。また、今年は、初めて、世界300都市の都市ランキングも公表されました。一位は、フィンランドのヘルシンキ、二位は、デンマークのオーフス、三位がニュージーランドのウエリントンでした。東京は、79位でした。この調査は、「自らの幸福意識・幸福感」という世論調査による自己主観評価がかなりのウエイトを占める独特の評価方式ではありますが、国連の公式調査であり、やはり、関心を持たざるを得ないものです。2.新型コロナウイルスと下水道インフラ。ピンチをチャンスに
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