来は、今までの延長線上かおけるハードとソフト第3種郵便物認可 第1910号 令和2年1月28日(火)発行(39)非議論して頂きたい事項研究委員会制度小委員会がスタートしました。5年半ぶりの下水道政策研究委員会の活動再開です。「下水道インフラの発展第二ステージのスタート」ともいうべき時期と重なった中、成果を大いに期待しています。 まずは、下水道法の改正を意識した「制度小委員会」からスタートしました。現在の世界の動きの速さは、数年前と大きく違います。2005年の下水道ビジョン、2014年の新下水道ビジョンから、15年・6年と経っています。下水道インフラを巡る「ヒト」・「カネ」・「モノ」の個々の課題は、一見、前回の新下水道ビジョン策定時と大きく変わっていないように見えます。しかし、その解決手段において、「デジタル化の急速な動き」は、下水道インフラを巡る状況を一気にトランスフォーム(変革)する可能性があります。「デジタルトランスフォーメーション」が、下水道インフラの課題を一気に解決する可能性すらあります。具体的には、「デジタルトランスフォーメーション」により、「内水水害への対応の効率化」「下水道インフラの点検調査の大幅なコスト削減・生産性向上・精度向上」「老朽化対応における更新タイミングの最適化によるコスト削減・生産性向上」「下水道インフラマネジメントの効率化による下水道経営の改善」「官民における下水道関連の人材不足の解消」等をもたらす可能性があります。また、「民間の役割の在り方」や「働き方改革」にも大きな影響をもたらすと思います。 時代は、前々回・前回のビジョン策定時の延長線にはありません。個々の課題の中でも、「気候変動等による災害の激化・甚大化」は、ここ数年で前提が大きく変化しています。「新しいビジョン」を議論することが必要ではないでしょうか。「将来を俯瞰した「新しいビジョン」があって、その達成への手段として、「法制度」「行財政政策」「組織論」「技術開発」等があると思います。(注)「デジタルトランスフォーメーション」とは、経済産業省の「デジタルトランスフォーメーション 地方公共団体の下水道インフラの置かれている経営状況等には、著しく大きな格差があります。その置かれている状況に応じたよりきめ細かなマネジメント手法と国からの支援の在り方の検討です。具体的な例としては、来年3月までに、管路の補助対象範囲を見直すよう、財務省から要請されていますが、その在り方等があります。ⅴ.国の関与 災害が多発・激化する中、地方公共団体の対応には、限界があると思います。下水道事業団の活用等も含め、直轄下水道等、国が積極的に関与すべきではないかの検討です。ⅵ.上下水道の連携・バンドリング 今後の下水道インフラマネジメントを考えるとき、上下水道連携で考えるか否か。また、インフラ管理にあたり、他の社会インフラ事業も含めた「バンドリング」を検討すべきではないか。ⅶ.技術開発推進、海外展開策 我が国の下水道インフラ関連技術は、世界トップレベルです。さらに、世界一レベルへの進化のための施策、地方公共団体での新技術採用策、海外展開策について、議論頂きたく思います。これは、我が国の今後の国家価値の向上、下水道インフラマネジメントの抜本的改革にも繋がると考えられます。ⅷ.下水道インフラとSDGs 下水道インフラは、SDGsを世界レベルで牽引できるもっとも有効な社会インフラではないかと思います。下水道インフラの世界から2030年のSDGs目標に向けできることは非常に多いのではないでしょうか。これを具体化し、かつ、政府を挙げて情報発信すべきではないかと思います。 新たな「下水道インフラ発展の第二ステージ」がスタートするこの時期、昨年末にスタートした「下水道政策研究委員会」、大いに期待しています。各界の有識者・地方公共団体の皆さんの真剣な議論を期待しています。を推進するためのガイドライン」によると、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」とされています。そのまま、地方公共団体の下水道部局にも当てはめることができると思います。4.下水道政策研究委員会で是 下水道インフラの未来を展望するにあたり、下水道政策研究委員会で是非議論を頂きたいと私が考えている事項は、以下の項目です。ⅰ .下水道インフラを取り巻く近未 下水道インフラの将来を考えるとき、2014年の前回の新ビジョン策定時までの連続的な流れとは異なり、時代の流れが大きく変わる可能性が高いと私は考えています。企業だけでなく、官側も含め、「デジタルトランスフォーメーション」等により、社会が変わる可能性があります。下水道インフラを巡る社会環境が大きく変わると考えるか否か、ビジョンを考える上での大前提であると思います。ⅱ .水害の激化・甚大化への対策に ハード面の対応だけでなく、土地利用規制等都市計画との連携・センサー等IoTを活用した制御・自助共助公助等ソフト面も含めた総合的な対応が望まれますが、その中でのハードとソフトのバランス如何。ⅲ.官民連携の今後 官民連携があらゆるステージで進んでいます。昨年9月に提出された下水道コンセッション第一号の浜松市西遠浄化センターのモニタリング結果では、運営は順調に進んでいます。今後、ケースによっては、さらに民主導への舵を切るべきか。ⅳ .全国の地方公共団体が置かれている状況に応じたきめ細かい下水道マネジメントとそれに対応した国の支援
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