下水道の散歩道 第1-33回
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▲下水道展’19横浜ではドローンの飛行デモを実施AS400機体▶▲建築家・千葉学氏が設計したNJSのブース◀AS600機体第3種郵便物認可 第1900号 令和元年8月27日(火)発行(33)ラに強く関心を持ち、ブーメランのように、下水道インフラを巡る国内状況にも良い結果をもたらすと考えます。国内における下水道インフラへの財政支援の拡大・国内需要の増加・技術のさらなる進展・下水道インフラ関係業界の就職人気高騰・下水道インフラ関連業界の地位向上等多くの良い影響が出る可能性が高いと思います。2.㈱NJSの取組み ㈱NJSは、「水と環境の総合コンサルタント」として、創業以来、68年間、常に「進取の気性」を持って、上下水道の発展に挑戦してきています。ここ数年は、特に「コンサルティング&ソフトウェア」を重視し、技術開発・ソフトウェア開発・ビジネス開発(ドローンビジネス・経営コンサルティング・PPP対応等)に注力してきました。その中で、今回の下水道展では、「管路等閉鎖性空間調査用ドローン・AエアスライダーirSlider」「汚泥掻き寄せ機等低速回転機器の老朽度を振動センサーで検知するCコネクティッドコレクターonnectedCollector」「設置容易・低コスト・高性能・長寿命でマンホール内水位等を測定し送信するSスカイマンホールkyManhole」を中心に出展し、建築家・千葉学氏設計のシンプルで視認性が高く機能的なブースとともに、大変好評を頂き、「出展者表彰・優秀賞」も頂きました。これらの技術は、いずれも、我が国オリジナル開発の技術で、今後、世界に展開していけると考えている技術です。特に、ドローンのAir Sliderは、初飛行成功後、2年半が経過し、技術開発段階からビジネス段階へ移行しました。現時点で、技術の精度・完成度は、閉鎖性空間調査用ドローン分野において、世界一の水準です。関西電力の水力発電本管の点検調査で正式に業務受注第一号がでるとともに、今年5月に関西電力と協業契約を締結、全国の電力事業体の水力発電本管・余水管の点検での採用が一気に進もうとしています。また、世界中の水力発電本管の点検への活用を展開していく予定です。下水道管路においても、近く、国内で、採用が進むと考えていますが、既に、シンガポール等数ヵ国から引き合いが来ています。下水道展でも、シンガポール政府関係者の来社とブースへの視察がありました。今回の下水道展の㈱NJSのブースへは、坂井学衆議院財務金融委員長、鈴木馨祐財務副大臣、小林鷹之元防衛大臣政務官、三浦信祐参議院国土交通委員会理事等の視察を頂き、私が主に説明しましたが、皆さんが、異口同音にドローンによる管路等閉鎖性空間点検の発想に感心し、開発状況も高く評価して頂きました。海外展開も皆さん、是非とのお話でした。 以上のように、㈱NJSでは、技術開発成果の海外への展開を既に視野に入れて動いています。3. 「世界ナンバーワン」を目指せる下水道インフラ技術は 我が国の下水道インフラ関係の技術レベルは、大変高いものがあります。しかし、海外、特に先進国への展開を考えた場合、①コスト競争力、②効率性・生産性の高さ、③品質の高さ、の三拍子が求められます。それも、半分の価格、倍の生産性、倍の品質といった大きなリードがあると、かなりの確率で世界展開できる可能性が増しましょう。 具体的に、可能性の高い分野は、以下の技術分野です。 ⅰ閉鎖性空間調査ドローン、ⅱ低速回転機器の振動センサーによる点検技術、ⅲ管更生工法技術、ⅳ特殊推進工法技術、ⅴ特殊シールド工法技術、ⅵ管路内処理技術、ⅶ微生物発電技術 ⅷゲノム編集による水処理の劇的効率化技術― ⅵ、ⅶ、ⅷの技術は、今後の技術開発分野ですが、基礎的な技術水準からみて、我が国は、スタート時点で一歩リードしていると思います。

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