下水道の散歩道 第1-33回
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(社会環境面)b.官民連携、広域化・共同化の動き、一方で施設の老朽化待ったなしル化と技術革新下水道の散歩道1.水コン協(公益社団法人全国上下水道コンサルタント協会)の新しい中期行動計画について間の急激な環境変化(自然環境面)a.災害の激化・甚大化 地球温暖化等の影響によると考えられるここ2~3年の台風・局[第21回](42)第1895号 令和元年6月18日(火)発行 第3種郵便物認可上下水道コンサルタント協会の新(第二期)中期行動計画(2019-2021)について―「新しい時代に魅力ある水コンサルタントをつくる」―㈱NJS 取締役 開発本部長(公社)全国上下水道コンサルタント協会 企画委員長谷戸 善彦 水コン協の新しい中期行動計画が、5月9日の理事会で承認され、6月13日の定時社員総会で、公表されました。急激な変化の続く現況を踏まえ、今後3年間の水コンサルタントと水コン協の行動の礎を明示したものです。新しい時代の上下水道インフラ界の発展に寄与する「魅力ある水コンサルタント」をつくることが目標です。キャッチフレーズは、「新しい時代に魅力ある水コンサルタントをつくる」です。「令和」時代とともにスタートする新しい3箇年の行動計画です。水コン協企画委員長として、昨年7月以降、1年間にわたり策定に携わってきた中、その背景・特色等について、述べたいと思います。2.上下水道界を巡るここ3年 第一期の中期行動計画を策定した2016年5月から、3年しか経過していません。しかし、上下水道界・水コンサルタント・水コン協を巡る環境は、大きく変化しました。その変化の内容は多岐にわたり、変化の度合いも急激です。今後、何にいかに取り組んでいくかを考えるにあたり、ここ3年間の特筆すべき変化を、4つの側面より、次の7点と捉え、議論を進めることとしました。イラスト:PIXTA所的豪雨の頻度・規模の大きさは際立ってきており、今後もさらに激化すると推測されます。地震の発生も多く、「南海トラフ地震・首都直下地震」への対応も重要です。(国の政策面)e.水道法の改正 昨年12月、水道法の改正が行われました。水道法の目的が、「水道の計画的整備と水道事業の保護育成」から、「水道の基盤の強化」に変わり、大きく政策転換が図られようとしています。改正のポイントは、「関係者の責務の明確化」、「広域連携の推進」、「適切な資産管理の推進」、「官民連携の推進」、「指定給水装置工事事業者制度の改善」の5点です。f.「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」の推進 昨年12月、国は、社会インフラの緊急点検を受け、「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」を2018年度から2020年度の期間で行うことを決定しました。この動きは、従来、「災害復旧等で、目の前の対応により、インフラの復旧・改築・更新を行ってきたもの」を、「重要インフラを点検して、脆弱性を把握し、目標を立て、それに向かって計画的・継続的に強靭化を図っていく」という大きな政策転換を示すものです。(水コン協自身)g.水コン協の公益社団法人化 昨年4月、事業体の幅広いニーズに対応し、コンサルタントに期待される役割と責任を果たしていくため、公益社団法人に移行しました。3.新しい中期行動計画の特色・内容について(1)新しい中期行動計画の特色 新しい中期行動計画の特色は、次の8点です。①魅力ある職業・魅力ある企業を目指すた存在に 人口減少・事業体職員の減少・事業体財政の逼迫・上下水道インフラの老朽化の進行を受けて、「官民連携の推進」・「広域化・共同化の推進」等、上下水道インフラマネジメントの変革の動きが加速しています。官民が連携して、種々の社会課題に対応していく時代に変わってきており、官民連携への期待が急速に高まっています。c.働き手の不足と働き方改革 人口減少、特に、生産年齢人口の急激な減少や全国的な求人難の中、上下水道インフラの調査・計画・設計・建設・維持管理・経営のあらゆるステージにおいて、担い手不足が顕在化しており、今後の上下水道事業において、大きな悪影響が出ると推測されます。また、今年4月から「働き方改革関連法」の中の改正労働基準法が施行され、労働規制が強化されました。これらに対応するため、企業倫理の順守徹底とともに、解決のための生産性の向上が強く求められることとなりました。d.急速なデジタル化・グローバ AI・IoTの活用など、急激な速度でICTが進化しています。上下水道インフラの分野でも、ICTの活用等のデジタル化(BIM/CIM等)により、成果品の質の向上、経営・マネジメントの効率化、人材不足等への対応が望まれます。 水コンサルタントの究極の目標として、「新しい時代に魅力ある水コンサルタントをつくる」とし、これを、キャッチフレーズとしました。②地域・都市に根づき、寄り添っ 「地域の上下水道インフラマネジメントの一翼を担う者」として活動し、地域の発展において、中核的な役割を果たしていく決意を明

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