第3種郵便物認可 第1887号 平成31年2月26日(火)発行(41)トすることがとても大切だと感じます。(2)「下水道」の名称について 国民的関心を持ってもらうにあたり、「下水道」というネーミングも、重要なポイントになると考えています。一旦、下水道インフラに対し「レスペクト」が達成されたら、ネーミングは拘らなくてよいという意見も多いかもしれません。しかし、今後、下水道インフラ関連産業が、「学生さんの憧れの職業」になってほしいと考えている私は、「ネーミング」も非常に重要と考えています。「わかりやすさ」とともに「良いイメージ」も大事と考えます。「水再生事業」「水再生・バイオエネルギー創造事業」「都市水環境創生事業」「都市水マネジメント事業」「国土交通省水再生・都市浸水マネジメント部」、こうした事業や組織の呼び名が良いのか否か、議論を戦わすこと、それ自体が、「国民的関心事」になるかもしれません。(3)下水道インフラの世界からの画期的イノベーションの創出 下水道インフラは、管路・処理施設・ポンプ施設と幅広い施設構成からなり、その活用技術も土木、建築、機械、電気、生物、化学等と幅広い分野にわたります。関連産業も多岐にわたります。そうしたなか、従来、下水道インフラ分野で活用されてこなかった素材や技術の活用等、多くの未知なる世界の技術の活用が期待されます(2月21日開催の異業種企業とのマッチングイベントは今後の動きが期待されるところです)。また、下水 現在、国土交通省で、紙オムツの下水道インフラへの受け入れについて、委員会を設置して、検討が進められています。以前も述べましたように、現在の紙オムツには、マイクロプラスチックが多く含まれており、早期での下水道インフラ受け入れは、慎重に考える必要があります。しかし、いつまでも、マイクロプラスチックを多く含む紙オムツが主流というのは如何かと思います。「マイクロプラスチックの入っていない紙オムツを作ってくれれば下水道インフラへ受け入れます」という、製紙業界・紙オムツ製造業界等への要請を行い、社会としての最適解を求めることが重要です。単体ディスポーザの下水道インフラ受け入れは、私は、進めるべきと考えていますが、その際、特別のディスポーザ使用料を徴取するなど、負担論(紙オムツの下水道への受け入れ特別使用料も含め)を国民挙げて、議論することが必要と思います。 こうした国民にとって身近な議論を下水道インフラに関して行うことにより、下水道インフラに関する「国民的関心」を高めることができると考えます。特に、紙オムツは予想以上に反応が大きく、今月初め、毛利信二前国土交通省事務次官と下水道インフラに関して幅広く議論した際、「昨年、事務次官の時に、紙オムツの下水道投入の検討を記者発表したとき、マスコミの反応が予想以上でびっくりした。介護や子育てに対する関心が大変強いことを実感した」とおっしゃっていました。こうした国民の日頃からの関心事にコミッ道技術分野の中でも、画期的イノベーションが生まれる可能性があります。こうした画期的イノベーションを数多く創出し、日本中に、また、世界に広げていくことが、国民の大きな関心を呼ぶことに繋がります。 具体的には、実用化の近い「管路内点検調査用ドローンの開発」や、今後の開発が期待される「ゲノム編集を活用した水・汚泥処理や微生物燃料電池」「管路内処理技術」等がありましょう。また、ソフト施策面でも、高知県須崎市で始まる「小規模自治体向けのコンセッションの提案」があると思います。「縦割りを排した多種事業組み合わせのバンドリング型事業」「コンセッション、包括委託、仕様委託を組み合わせた複合型事業」等の新しい特徴を有する本プロジェクトが小規模自治体の福音となるのか、国民的議論となる可能性があります。 以上の3点の他にも、国民的関心を持ってもらうには、世界的な大規模イベントである「東京オリンピックと下水道の水質保全効果」のテーマや本稿第15回で述べた「大阪万博を下水道インフラのショーケースに」といった話題があると思います。 下水道インフラについての「国民的関心」の提起、難しい課題ですが、是非、下水道関係者を挙げて、真剣に真摯に取り組んで行こうではありませんか。
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