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▲ 第八回世界水フォーラム 日本水フォーラムが「地域プロセス」グループのコーディネーターを務めた(写真提供:日本水フォーラム)(40)第1993号 令和5年5月16日(火)発行 (2022年3月):セネガル閣僚会議では、秋本真利国土交通大臣政務官がスピーチを行った。 第八回世界水フォーラムの成果は次の通り。◦ 水に関する最新の政策や取り組みの共有◦ 水課題の解決策に繋がるアプローチ、アイデアの創出◦ 持続可能な開発目標(SDGs)に向けた取り組みの推進、特にSDG6目標の水に関する取り組みについて具体的な行動指針を策定した◦ 水に関する国際法の整備に向けた具体的な提言が行われた 特筆すべき事項は、今までの各国の推進目標や努力義務などについて、世界に共通する国際法の推進や制定に向けた論議が始まったことである。(GWN第36回(本紙1867号:平成30年5月8日発行)で詳述)3)第九回世界水フォーラム 本来なら2021年の開催予定だったが、コロナ禍による一年の開催延期を受け、サブサハラ・アフリカ地域で初めての開催となった。テーマは「平和と発展のための水の安全保障」(Water Security for Peace and Development)で4つの優先課題(水の安全保障と衛生、農村開発、協力、手段とツール)、さらに約90のテーマセッション、ハイレベルパネル、約52の特別セッションが展開された。開会式では天皇陛下のビデオメッセージが放映された。日本水フォーラムはテーマ別セッションで、日本を含むアジア・太平洋の取り組みに関する情報発信や、官民一体となった日本ブースの企画運営およびユース活動に関する情報発信、「京都世界水大賞2022」の授賞式を行った。閉会式では「ダカール宣言」として包括的なアジェンダを採択した。◦ 水と衛生に関する目標を達成するためには、国際社会全体の取り組みが必要である◦ 水資源管理には地球全体にわたる包括的なアプローチが必要であり、地球規模での協力が必要である。◦ 水資源管理において、地方自治体や市民社会、水利用者が重要な役割を果たし、女性や先住民族などの社会的弱者の利益を守ること◦ 目標を達成するためには、技術革新、技術移転、そして適切な資金調達が必要である◦ 次世代の利益を考慮し持続継続的な資金管理を行う  このダカール宣言は、今後の水資源の管理に関する包括的な国際的な枠組みを確立するための重要な一歩となった。 第十回世界水フォーラムは、2024年5月にインドネシアのバリ島で行われる予定である。2.アジア・太平洋水サミット アジア・太平洋水サミット(Asia - Pacific Water Summit)はアジア・太平洋水フォーラム(APWF事務局:日本水フォーラム)が主催し、アジア・太平洋地域の各国首脳や国際機関の代表などハイレベルの参加者が、アジア・太平洋地域の水に関する諸問題について、幅広い視点から議論を行う国際会議である。第四回世界水フォーラム(2006年3月メキシコ・シティ)の席上、橋本龍太郎元首相によってアジア・太平洋水フォーラムの設立が宣言され、同年9月にフィリピン・マニラでAPWFの発足記念式典が行われ、第一回アジア・太平洋水サミットの開催が決定された。1)第一回アジア・太平洋水サミット(2007年12月):日本・大分県別府市 水の安全保障:リーダーシップと責任(Water Security: Leadership and Commitment)をテーマに大分県別府市で開催、アジア・太平洋地域の47ヵ国から政府首脳や国際機関の代表のほか、企業、地方自治体、学会、メディアなど多くの代表が参加。首脳級会合、ステークホルダー会合、分科会、テーマ別会合、シンポジウム、学生サミットなどが行われた。2)第二回アジア・太平洋水サミット(2013年5月):タイ・チェンマイ第3種郵便物認可

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