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▲国連2023水会議の開幕(筆者撮影)3)気候・強靭性・環境に関するテーマ別会合……日本が共同4)サイドイベントで……熊本水議長サミットの成果を発信◀「地下水」特別会合に参加した筆者▼「地下水」特別会合(筆者撮影)5)ユースセッション……持続可能な水管理のための世代間パートナーシップ構築「皆さん、お茶は好きでしょうか?」と会場の参加者に呼びかけスピーチを開始。上川議員は自身の出身地である静岡県が昨年の台風15号の被害に見舞われた中で、かつての豪雨災害を教訓に、「行政と地域住民が連携しながら取り組んできた地域対策」が防災・減災に生かされたエピソードを紹介。さらに日本が取り組んでいる「熊本イニシアティブ」を通じた貢献策として、流域治水に関連した気象予測と水インフラ管理の連携、衛星データの高度利用、質の高い水道施設・下水道施設の整備や、健全な水循環の維持・回復に向けた理念と取り組みなど、日本の創意工夫で得られた知識と経験の共有を通じ、日本は国際貢献を積極的に図っていく考えを表明した。第3種郵便物認可  プログラムのテーマ別討議「気候変動・強靭性・環境に関する水」では、日本とエジプトが共同議長となった。共同議長として挨拶した上川議員は、エジプトと日本の気候の差を引き合いに出しつつ、気候変動による洪水と干ばつの両極端化に言及し、世界で起こっている共通課題の解決に向けてグローバルに適応できる効果的な枠組みの議論を呼びかけた。続いて国際機関、加盟国、関係機関が適宜コメントする流れで進行、日本水フォーラムの朝山由美子チーフマネージャーは「アジア・太平洋水フォーラム」を代表し、「第四回アジア・太平洋水サミット」の成果である「熊本宣言」の内容を紹介した。 第1991号 令和5年4月18日(火)発行(45) 22日には日本水フォーラム主催のサイドイベントが国連本部内で開催され「進むべき道、アジア太平洋地域における強靭で持続可能な包括的な水」をテーマにパネルディスカッションが開始された。冒頭昨年の「第四回アジア・太平洋水サミット」の開催地である、熊本市の大西一史市長が挨拶、「持続可能な発展のための水 ~実践と継承~」とのテーマに触れ、多様なステークホルダーとの連携、また次世代の担い手であるユースの参加の重要性を語った。続いて3ヵ国の政府代表とアジア開発銀行(ADB)が事例紹介し、日本政府代表として国交省の時岡利和・国際河川技術調整官が水問題に対する日本の貢献策「熊本イニシアティブ」のフォローアップ状況を説明した。これら日本の取り組みは既に「国連水アジェンダ」に承認掲載されている。 ユースセッションは、日本水フォーラム、水の安全保障戦略機構、アジア開発銀行(ADB)、国際協力機構(JICA)、コム・アクア、熊本市などで共催された。本年2月に日本で開催された「水未来会議2023 世代を超えて考える水問題の未来」で選抜され派遣された熊本の高校生が、自ら作成した動画を放映し、水の未来へのメッセージを述べた。会場は立ち見が

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