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の開催について▲開会式で挨拶したアウン・サン・スー・チー国家最高顧問(当時)今回のサミットの成果を期待している」と挨拶。その後各国の代表が挨拶し、日本から石井啓一国土交通大臣(当時)が「日本には水問題の解決、特に多くの水災害を克服してきた制度、技術、ノウハウが蓄積されている。これら日本の経験を皆様と共用し、アジア太平洋地域のさらなる発展に寄与したい」と力強く基調講演し日本の貢献策を述べた。◆日本の貢献 石井大臣の各セッションでの挨拶概要 石井大臣は、①気候変動下の水と災害、②水循環の再生として、雨水利用と持続可能な地下水管理、③衛生の改善と下水道の管理、についての3つセッションにて、特に水循環の重要性と水災害の防止策を強調するとともに、日本の貢献策を述べ日本の存在感を示した。また2017年ミス日本「水の天使」の宮𥔎あずささんも和服姿で参加、各国の閣僚と記念写真に応じ日本をPRした。◆ヤンゴン宣言 最終日12日は、討議の成果を踏まえ、「持続可能な開発のための水の安全保障」について、アジア太平洋地域の各国が取り組むべき道筋を示す、「ヤンゴン宣言」が採択された。宣言では、水資源の確保、洪水対策、水災害の減災、水の有効利用、投資の拡大など幅広い目▲第3回APWS 会場での筆者▲右から「水の天使」宮﨑あずさ氏、石井啓一国土交通大臣(当時)、竹村公太郎氏(日本水フォーラム事務局長)(36)第1963号 令和4年3月8日(火)発行 標と具体的な行動策が示された。特に国連が提唱する2030年までの「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成目標より5年早め、アジア太平洋、すべての地域で「安全で安心な飲料水の供給、衛生的な環境を提供する」。そのために「水関連災害リスクの低減や水道整備などのインフラ投資を倍増する」などと、意欲的な行動の道筋が盛り込まれた。さらに日本が提唱してきた「健全な水循環の考え方」や「事前防災の重要性の視点」なども織り込まれたことは特筆に値する。4. 第4回APWS関連イベント 依然としてコロナウイルス感染症が世界的に猛威を振るっているため、コロナ禍前のように、国内外の多様な参加者が一堂に集まり、議論を行うことが難しい。一方、オンラインを通じた国際会議の開催が普及していることから、第4回APWSにおいても、オンラインツールを適切に活用し、世界中の多くの方々に第4回APWSにおける議論を配信する予定である。 その一環として、アジア・太平洋水サミット事務局は、第4回APWSの開催日の前後などに、別の会場で、水に関する意識啓発などを広く情報発信することを目的 【参考文献】1.認定NPO法人日本水フォーラムホームページ:https://www.waterforum.jp/2.朝山由美子著『第四回アジア・太平洋サミットの開催について』水道公論Vol.58 p58-62 日本水道新聞社 2022年2月号3.吉村和就著『第三回アジア・太平洋水サミット ミャンマー・ヤンゴン市で開催』下水道情報 第1860号 p16-18 公共投資ジャーナル社 平成30年1月30日としたイベントを主催する団体を募集し、関連イベントとして認定する。応募締切は2022年3月23日(水)。その詳細は、第4回APWSホームページを参照のこと(https: //apwf.org/kumamoto-2022-jp/related-event/)。おわりに コロナ禍で多くの水に関する国際会議、例えばストックホルム国際水会議やIWA世界会議などが中止や延期になる中、日本で開催される第4回APWSは、貴重な機会であり、ぜひ日本の叡智や普及に向けた取り組みをアジア・太平洋地域のみならず全世界に発信し、各国が水に関する持続可能な発展をつくる手助けができることを期待したい。第3種郵便物認可

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