SEWグローバル・ウォーター・ナビ1.はじめに アジア・太平洋地域は、「世界の成長センター」とも言われ、域内21ヵ国で世界人口の約4割、世界貿易量の約5割、世界GDPの約6割を占める重要な地域である(外務省令和4年1月発表)。その地域に居住する約30億人の生活や経済発展の土台(社会インフラ)を支えているのが水資源である。 認定NPO法人「日本水フォーラム」は2007年12月、「第1回アジア・太平洋水サミット」を大分県別府市で開催し、アジア・太平洋地域における持続可能な水資源の啓蒙や技術・知識の共有などを主導してきた。 今回は、15年ぶりに日本で開催される「第4回アジア・太平洋水サミット」の概要を紹介する。この水サミットでの活動が、アジア・太平洋地域の「持続可能な発展」に向けた、大きな貢献となることを期待したい。(さらなる詳細内容は、日本水フォーラムのホームページをご参照願います)2. 第4回アジア・太平洋水サミットについて 日本水フォーラムが事務局を務めるアジア・太平洋水フォーラム(34)第1963号 令和4年3月8日(火)発行 (Asia-Pacific Water Forum : APWF)は、熊本市と共同で「第4回アジア・太平洋水サミット(APWS)」を2022年4月23日・24日に開催する予定である。 APWSは、開催国政府・開催地の都市とAPWFが共催し、アジア・太平洋地域が抱える水問題に対する認識を深め、その課題解決を目的とした国際会議である。国際機関、開発金融機関、NGO、企業、学会等が国内外の叡智を結集し、アジア太平洋地域の首脳級をはじめとする政策決定者に対して、持続可能な発展に向けた道筋や取り組みを、水の観点から示すことを目的としている。 水問題の解決にはトップリーダーの強い指導力が必要であることから、APWSは各国の首脳自身▲桜町地区市街地再開発事業の一環として整備された熊本城ホール (=矢印/出所:熊本市ホームページ)が「水」に関する自国の現状・問題点とトップリーダーの考え方を自由に述べ、その知見を共有し合うことで相互確認、確信を得ていく機会を提供することが特徴である。日本での開催は、前述の如く15年ぶりとなる。今回の第4回APWSの円滑な実施のため、2019年3月26日、外務大臣、文部科学大臣、厚生労働大臣、農林水産大臣、経済産業大臣、国土交通大臣、環境大臣による閣議請議が行われ、関係する行政機関が必要な協力を行うことが閣議了解された。1)第4回アジア・太平洋水サミット(APWS)の概要【開催日時】2022年4月23日(土)、4月24日(日)【共催機関】アジア・太平洋水フォーラム(APWF)、熊本市【会場】熊本城ホールおよびオンライン(※新型コロナウイルス感染症の状況によりオンライン開催となる場合がある)【参加者】◦ アジア・太平洋地域各国の首脳級、閣僚級、政府高官◦ 国連・国際機関のトップ、研究機関、NGO、他◦ 分科会や統合セッションに参加第3種郵便物認可日本が主導する「第4回アジア・太平洋水サミット」、熊本で開催吉村 和就[グローバルウォータ・ジャパン代表 国連環境アドバイザー]82
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