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SEW――――――――7,044米国・感染者数の変遷(出所:Wikipedia/4月22日)地域グローバル・ウォーター・ナビ 新型コロナウイルス(COVID-19)感染症による死亡者が世界全体で20万5千人を超えた(4月27日時点)。米国、イタリア、スペイン、フランスなど欧米を中心に感染拡大は依然として衰える気配を見せていない。各国の検査態勢の拡充も反映し、世界全体の感染者数は294万人を超え、さらに感染拡大の様子を見せている。毎日増大する感染者数であるが、統計がしっかりしている各国の状況を見てみよう。1.米国のCOVID-19感染状況 米国の被害は甚大で、米国ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると米国内感染者数は89万人で、死亡者は5万人を超え(4月24日報告)米国は新型コロナウイルスによる感染被害が最も大きな国になっている。また世界経済の中心地であるニューヨークでCOVID-19の抗体検査を無作為抽出で行ったところ、ニューヨーク市在住の市民5人に1人が感染している可能性があることが分かった。1)ニューヨーク市の状況 NY州のクオモ知事は緊急記者会見を開き詳細を説明した。抗体検査はNY州内各地のスーパーマーケットの顧客3000人を無作為で選び分析、その結果14%が陽性反応を示し、特にニューヨーク市内では、その感染割合が21%に上った。同知事は「抗体検査は不確か米国の主な州の感染・死亡者数(出所:ジョンズ・ホプキンス大学/4月24日)確認済み 89万人 回復者数 82,843人 死亡者数 50,372人)ニューヨーク州ニュー・ジャージー州マサチューセッツ州カリフォルニア州ペンシルベニア州イリノイ州ミシガン州フロリダ州ルイジアナ州で、検査対象人数も少ない」と断りながら、仮にこの試算に基づくとNY州の公式発表の感染者数26万3460人(4月22日現在)の約10倍に当たり、州全体で270万人、ニューヨーク市内で約170万人がCOVID-19に感染した計算となる。クオモ知事はさらなるコロナ対策の必要性を訴え、「外出制限の緩和と経済活動の再開は、まだ早すぎる」という考えを示している。2) 住民および上下水道事業者  米国において、「水道水や下水からCOVID-19の感染が広がるのではないか」とうわさがネット上で拡散された。米国環境保護庁(EPA)は「現在のところ、検出された事実・証拠はまったく無い」と直ちに向けアラート(42)第1917号 令和2年5月5日(火)発行 否定し、同時に米国疾病予防管理センター(CDC)と協調し寄せられた質問(FQ)について、次のように回答している。Q1:COVID-19は水道水を通じて拡散されるのか?A1:水道水中のコロナウイルスは検出されていない。通常の殺菌方法で除去・殺菌されている。Q2:COVID-19は糞尿の中から検出されるのか?A2:感染した患者からの糞尿からウイルスは検出されているが、それが下水を通じて人から人へ感染したという確認されたレポートは無い、しかしながら過去のSARSやMERSの例から見て感染力は低いとみられるので注意が必要である。Q3:公共プールやホットバス、スパを通じてウイルスは拡散されるのか?A3:今のところ公共プールやホットバスなどを通じウイルスの感染は報告されていない。しかしながら運営者や所有者はCDCのガイダンスに従い衛生・安全管理を再確認すべきである。確認済み回復者数死亡者数15,7405,3682,3601,4691,4211,6882,9778671,40526.3万99,98946,02337,36937,06936,93435,29127,86924,854第3種郵便物認可新型コロナウイルスと戦う水質分析技術吉村 和就[グローバルウォータ・ジャパン代表 国連環境アドバイザー]60

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