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▲第四回アジア・太平洋水サミットの会場となった熊本城ホール (=矢印/出所:熊本市ホームページ)スー・チー国家最高顧問による開会挨拶と、各国国家元首・大臣級による基調講演が行われた。ヤンゴン宣言には、水の重要性、持続可能で健全な水資源管理の必要性、水に関する国際的な枠組み支援、技術革新と投資の促進などが織り込まれた。(GWN第33回(本紙1860号:平成30年1月30日発行)で詳述)4)第四回アジア・太平洋水サミット(2022年4月):日本・熊本市 熊本宣言では、水の持続可能性▲ 第三回アジア・太平洋水サミット 閣僚級参加者(中央はミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家最高顧問兼外相(当時))▲ 第三回アジア・太平洋水サミット会場での筆者第3種郵便物認可  タイのチェンマイ国際会議展示場で開催された。主要テーマは水の安全保障と水災害への挑戦(Water Security and Water-related Disaster Challenges: Leadership and Commitment)。最終日にはチェンマイ宣言が採択された。◦ 水は持続可能な開発において、中心的な位置である◦ アジア・太平洋地域は世界的にも災害多発地域であり、洪水や干ばつを含む水関連災害の強度、頻度が増し続けている。自然災害による死者数および経済的損失を削減する◦ 水に関わる開発および管理に係わる意思決定は、水の使用者、計画担当者、政策決定者など、すべてのレベルの人々を含んだ、参加型アプローチで行われるべきである◦ 持続可能な農業生産拡大には、水資源の効率的な運用、開発と運用が総合的に行うべきである3)第三回アジア・太平洋水サミット(2017年12月):ミャンマー・ヤンゴン市 開会式ではアウン・サン・ 第1993号 令和5年5月16日(火)発行(41)についての取り組みの強化、強靭性、持続可能性、包摂性を兼ね備えた質の高い社会への変革を目指すためにガバナンス、科学技術、ファイナンスの強化などが織り込まれた。(GWN第82回(本紙1963号:令和4年3月8日発行)で詳述)さいごに 今後も、気候変動や人口の増加などによる水資源の枯渇や水汚染など、グローバルな水問題はますます深刻化していくことが予想される。そのために国際的な水に関する会議や水サミットは、持続可能な水資源管理に向けた国際的な協力や各国の水政策の策定に大きく貢献することが期待されている。

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