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2) ミレニアム開発目標(MDGs)…2015年までに達成する項目 ミレニアム開発目標として以下の8項目が採択された。◦貧困と飢餓の撲滅◦普遍的な初等教育の達成◦ ジェンダーの平等の推進と女性の地位向上◦幼児死亡率の引き下げ◦妊産婦の健康状態の改善◦ HIV/エイズ、マラリア、その他の疫病の蔓延防止◦ 環境の持続可能性の確保(2015年までに安全な飲料水と基礎的な衛生設備を継続的に利用できない人々の割合を半減させる)◦ 開発のためのグローバル・パートナーシップの構築 上記の8項目を達成するために、さらに21のターゲット、60の指標が設定された。3) MDGsの達成状況と残された課題 2015年7月、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は「MDGs報告2015」を発表し、「極度の貧困をあと一世代でこの世からなくせるところまできた」、「MDGsは歴史上最も成功した貧困撲滅運動であった」と成果を強調したが、一方、①5歳未満児や妊産婦の死亡率削減については改善の兆しはみられたものの目標水準に及ばず、②女性の地位向上についても就職率や政治参加などで男性との間で大きな格差が残され、③環境面では、二酸化炭素の排出量が1990年比で50%以上増加しており、気候変動が開発の大きな脅威になっていることが明らかにされた。さらに、④達成状況は国別や地域ごとに大きな格差がみられ、依然として深刻な格差の問題と最貧困層や脆弱な人々が置き去りになってい第1862号 平成 30年2月27日(火)発行 ることも指摘された。 水問題に関し抜き出してみると、◦ 水不足は世界人口の40%に影響を及ぼし、今後もその割合は増加する。◦ 世界人口の91%が改良された飲料水源を利用できるようになり、当初目標(76%達成)を5年前に達成し、新たに19億人が水道水へのアクセスを得た(総計で66億人、2015年)。◦ だが3人に一人(24億人)が未だ改善されていない衛生施設を使用している。つまり9億4600万人が未だに野外排泄(野外トイレ)を行っている。 など、まだまだ課題が山積であることを示唆している。 MDGsの後継として2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟国が2016年から2030年までの間で達成するために掲げた目標で、17の大きな目標(ゴール)と、それを達成するために具体的な169のターゲットで構成されている。1)SDGsの17項目(ゴール)◦貧困をなくそう◦飢餓をゼロに◦すべての人に健康と福祉を◦質の高い教育をみんなに◦ジェンダー平等の実現を◦安全な水とトイレを世界中に ここまでの6項目をみると、開発途上国へのMDGsのフォローアップが強調されている。◦ エネルギーをみんなに、そしてクリーンに◦働きがいも経済成長も◦ 産業と技術革新の基盤をつくろう◦人や国の不平等をなくそう◦住み続けられる街づくりを◦つくる責任つかう責任を この6項目では途上国のみならず先進国のあるべき姿が求められている。◦気候変動に具体的な対策を◦海の豊かさを守ろう◦陸の豊かさも守ろう◦平和と公正をすべての人に◦ パートナーシップで目標を達成しよう 最後の5項目では、地球環境全体を包括し、すべての人々が力を合わせ持続可能な社会を構築しようとする意気込みが感じられる。2015年までのMGDs達成の主眼は各国政府による開発目標であったが、2030年までのSDGsは、世界第3種郵便物認可出所:http://www.un.org/en/events/pastevents/millennium_summit.shtml国連ミレニアムサミット 149ヵ国の首脳級が集合2.持続可能な開発目標(SDGs)

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