ニカルセミナーでは、浄水処理、排水処理及び海水淡水化に関する様々な水処理技術が紹介された。◦展示会 展示会には世界38ヵ国から関係企業480社が出展し、水処理及びエネルギーに関する最先端の技術・機械を紹介する見本市として賑わった。会期中の来場者数は1万4千人余りで、水処理関係者及び80もの関係団体が参集し、多数の商談が行われた。今回の展示会は9回目の開催となり、ベトナムの上下水インフラ整備、排水処理など水処理に対する需要が非常に高まっていることが窺われた。日本は日本貿易振興機構(ジェトロ)主催のジャパンパビリオンに24社が出展。それ以外に単独のブースを構え自社の技術を紹介する企業も多数見られた。日本の総合水事業会社・水ingは今年度も展示会のゴールドスポンサー、荏原製作所、JFEエンジニアリング、月島機械、鶴見製作所はシルバースポンサーを担うなど、日本勢はベトナム国内の水処理市場において大きな存在感を示している。 急拡大しているベトナムの水ビジネス市場であるが、今のところ大きな案件はODA頼みであり、これでは国際競争に勝つことができない。事実、日本が最大の拠出国であるアジア開発銀行(ADB)の国際入札では2016年度、資機材・土木部門の総額約8000億円のうち日本勢の受注実績はわずか0.77%(国別で17位、1位は中国)である。相手国のニーズを正確にくみ取り、相手のレベルと財布の中身に合う提案を、他国企業とも組み開拓することが急務である。第1858号 平成 29年12月19日(火)発行 第3種郵便物認可(写真提供:ティン・ミン・ホン氏(水みらい広島・ベトナム国籍))五州興産グループ ベトナムの水処理会社テクニカルセッションベトウォーター展示会水ingの展示ブース5.勝てる日本の水戦略
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