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――第3種郵便物認可 億円)を投資し環境改善したと説明しているが、現地サンパウロ新聞は、国家基本衛生法が施行されてから10年も経過しているが、未だに3世帯のうち1世帯は基本的な衛生設備が不足している状態にあると指摘し、また学校の下水道へのアクセス率(36%)はインターネットのアクセス率(41%)より低い、これは衛生環境を重視しない国の優先順位が表れていると述べている。5.住友商事による上下水道事業への参画 280億円投資 住友商事は2017年4月に「ブラジル水事業への参入」を明らかにした。カナダの投資会社と共同でオデブレヒト・アンビエンタル社が保有するブラジルの上下水道や産業用水処理事業26社の株式70%を取得する。投資額は2億5千万ドル(280億円)であり具体的には住商から現地に10人派遣し、技術内容は東京都の出資団体である東京水道サービス株式会社や東京都下水道サービス株式会社の技術やノウハウを活用する予定である。事業領域はブラジル国内の12州・約100都市において、約1700万人への上下水道サービスや産業用水処理サービスを提供する予定である。この事業、日系商社が手掛ける海外の上下水道ビジネスにおいて投資額やサービス人口は最大規模である。6.水インフラ改善について日 日本が移民政策を始めて以来、日本人13万人がブラジルに移住してから既に100年以上が経過し日系人は150万人を超え、同国は世界最大の日系人居住地となってい項目2007年80.9%59.3%37%第1847号 平成 29年7月18日(火)発行2015年85%65.3%2033年国家目標90%以上90%以上る。このため日本国政府は同国の上下水道インフラ整備に積極的に支援してきた。 円借款での主な事業は、①パラナ州環境改善事業(237億円)、②東北部水資源開発(36億円)、③サンパウロ沿岸衛生改善事業(213億円)、④サンパウロ州環境改善事業(192億円)、⑤サンパウロ州無収水対策事業(336億円)、⑥ビリングス湖流域衛生環境改善(62億円)などである。 BRICS経済の主役の一人として期待されていたブラジルだが、最近はラテンアメリカ諸国中、最低の経済成長率に加え、陽気な国民性もあり上下水道のインフラ整備は遅々として進んでいないのが現状である。サンパウロ市(2010年)96%74%32%アマゾン森林破壊の衛星写真 北東部の町 アルタミラ付近ブラジル都市部における上下水道の整備状況上水道普及率下水道普及率上水道無収水率本の貢献

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