第3種郵便物認可 に」とあり、備え付けのごみ箱に捨てるように書かれている。日本と大きく異なるトイレ事情に薀蓄(ウンチク)を傾け、用を足すことになるだろう。 トイレはスペイン語では“SERVICIO”セルビシオ、しかしサービスは期待できない。3.巨大な富をもたらした海鳥のフン ペルー西海岸の海は水温が低く栄養分に富み、幾千年もの昔から、カタクチイワシやマイワシなど海鳥の餌を供給してきた。この地域では雨が殆ど降らないために、沿岸の島々には長年の間に海鳥のフンが堆積し、30m以上の高さになったところもある。これが世界に誇る優れた天然肥料グアノ(リン鉱石)で、19世紀後半から世界中に輸出されペルーに巨大な富をもたらした。しかし採り過ぎてグアノ肥料は枯渇し、また世界市場では化学肥料に取って代わられた。4.ペルーと日本との関係 中南米で最初に我が国と外交関係を樹立したのがペルー共和国であり、140周年を迎えている。現在約10万人の日系人が在住し、彼らはペルー社会において顕著な活躍をしている。第91代フジモリ大統領(在任期間1990年から10年間)もその一人である。近年は鉱物資源や内需の拡大により安定した経済成長が見込まれているが、依然として貧富の差が大きく、国民の約3割は貧困層に属している。特に山岳地域やアマゾン地域において貧困層の割合が高く、都市インフラ(電力、上下水道、ごみ処理、灌漑など)の整備不足が重要な課題として残されている。日本政府は重点項目として①社会インフラの整備と格差是正、②環境対策、③防災対策として2008年から2012年までの5年間、ODAとして円借款4245億円、無償資金協力659億円、技術協力として515億円を援助している。水に関する円借款項目ではイキトス下水道整備計画、リマ首都圏北部上下水道最適化計 第1843号 平成 29年5月23日(火)発行画(第1期、第2期)、リマ首都圏南部下水道整備事業では1996年から円借款約126億円にて下水処理場の建設・拡張(建設2ヵ所、拡張1ヵ所)および下水函渠の建設にて下水処理能力(3.0m3/秒)を整備している。さらにアマゾン地区給水・衛生計画が実施されている。南米の海面水温の偏差図ºC(2017年2/19-3/18)NASA/ペルー上空の雨量観測衛星・立体画像(3月20日)(Credits:NASA/JAXA, Hal Pierce)
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