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62H32H02H71H41H11H26S95S65S35S05S74S44S14S83S53S23S92S8H5H2H SEW(8642050()mk万長延理管路管)mk千長延備整別度年設布前以201816141210504540353025201510グローバル・ウォーター・ナビ 博多駅前で起きた道路の大規模陥没事故は日本国民のみならず海外メディアでも驚きをもって受け止められた。わずか一週間で仮復旧が完了し通行が再開されたのだ。英国放送協会(BBC)や米国のネットワークテレビ(CNN)は「さすが日本の技術だ、もの造りの効率性を証明した」と賛美のコメント、その復旧シーンを見た海外の人々も「日本の優れた技術やその速さに驚嘆」している。巨大な道路陥没の穴、それは幅27m、長さ30m、陥没部の深さ15m、つまり1万2千m3の穴だが、通常では1ヵ月から2ヵ月かかる埋戻しがわずか一週間で完成し通行が再開されたのだ。 他国に誉められると有頂天になり原因追及を忘れるか、追及が甘くなる日本国民。実はこのような大規模な道路陥没事故は少ないものの、小さな陥没事故は毎日、全国各地で起きている。今回の駅前陥没の主因は地下鉄の建設工事とみられているが、それ以外にも地下には上下水道管や通信、電力、ガスなどの多くの管路が埋まり複雑に入り組んでいる。 これらは昭和30年代からの高度経済成長期に埋設されたものが多く、すべてにおいて老朽化が進行している。特に怖いのは地下の空第1833号 平成 28年12月20日(火)発行 間面積を大きく占める下水道管である。なぜ下水道管が太いのか、それは汚水や雨水を自然流下で受け入れているからである。実はその下水道管の老朽化による道路陥没は全国各地で毎日発生している。1.下水道管の老朽化による道 国土交通省下水道部の平成26年度の調べでは、下水道管の総延長は全国約46万kmで地球12周分以上の長さである。布設してから50年を超えた経過管は約1万kmに達している。【図1】 その管路の最後は全国の約2 2 0 0 ヵ所の下水処理場に繋がれている。この下水道管が老朽化し漏水と不明水が発生、その結果道路陥没は平成17年の6600ヵ所をピークに減少しているが平成24年に約4000ヵ所、平成26年度には約3300ヵ所で道路が陥没している。【図2】 つまり全国各地で毎日のように道路陥没事故が起きているのだ。道路種別では市町村道の陥没が9割以上を占めている。 都市部において下水道管の老朽化と道路陥没事故は比例する相関関係にある。布設年度別では昭和13年から昭和52年まで陥没が多く、将来このピークが平成に移動し道路陥没件数が増加する傾向がある。【図3】 また大きな道路陥没事故には水の存在が深くかかわっている。梅雨シーズン、降雨時や降雨後に時間に陥没事故が多く発生している。雨の日や降雨後に陥没が多いのは、地下水位上昇による圧力が高まるためである。【図4】◦下水道管の損傷・老朽化 長年にわたり道路下に埋設された下水道管は、外部要因では、自動車による荷重や振動により管に亀裂が生じ、そこに木の根が入り込むなど、さらに亀裂を広げるなど大きな損傷を受けていることが第3種郵便物認可図1 管路施設の年度別管理延長(出所:国土交通省調べ)今後50年経過管が急増50年経過約1万km約46万km路陥没吉村 和就[グローバルウォータ・ジャパン代表 国連環境アドバイザー]下水道管の老朽化で日本陥没21

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