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ラウンド討議形式のプレゼンである。複数の発表者がプレゼンした後に、同じフロアーにいる聴衆と自由に意見交換をする場であるが、発言の途中でも遮って質問する人もいて、仮にプレゼンテーターが即座に返答できなければ、他の人が手を挙げて説明するという日本では、あまり見ない光景であった。つまり常に数字と論理が頭の中に入っていなければ対応できない発表・意見交換形式であった。聴衆にとってみれば、いつでも参加できるフリーディスカッション形式である。1つの事象について複眼的な見方を同時多発的に考えることができた。3.水未来への形成…7つの成果  大会の最後には「水未来への形成」をサポートする7つの成果が発表された。① 干ばつ対策への行動アジェンダ② SDGsに対応する上下水道サービスプロバイダーと規制者(レギュレーター)向けマニュアルの公表③ 世界の水使用に関するレポート④ ダイアン・ダラス新会長の役割と行動計画⑤ 賢い水による都市創造における17の主要項目⑥ 世界の水需要の動向と技術開発(DNA解析と水処理など)⑦IWAアワードの発表 これらの詳細については関連Webサイト(https://vimeopro.com/iwahq/iwa2016brisbane)で公開されている。4.展示会の概要 展示会場では各企業・団体のブースに加え7ヵ国が特設ブースを構えてPRしている。アフリカ第1831号 平成 28年11月22日(火)発行 諸国、ベルギー、中国、デンマーク、日本、韓国、オランダであり、各国とも自国のPRに工夫をこらしている。開催地であるブリスベン市はクイーンズランド州特設ブースにて「水のパートナーシップ形成」を呼び掛けている。展示内容では特段、目新しい展示はなく、大口径膜や水処理施設のエネルギーの効率化、IoTを用いた水資源管理のソフトおよびハードの展示が多く見られた。◦ジャパン・パビリオン ジャパン・パビリオンには日本水道協会、日本下水道協会、水団連、日本下水道新技術機構、東京都、東京都水道局・下水道局、東京水道サービス(TSS)、東京都下水道サービス(TGS)、横浜市水道局、企業ではメタウォーター、水ing、クボタ、大成機工などがブースを構え熱心にPRしている。日立造船や住友電工は個別ブースを構えPRしている。各組織とも社長や幹部クラスが多数参加し、それぞれの特徴をPRしていた。 次回のIWA開催国である日本からは、150名を超える多くの水関係者が集結した。5.閉会式 最終日のクロージングセレモニーでは、次期IWA会長にダイアン・ダラス女史が選出されたことが報告され、ダイアン新会長(水メジャーであるスエズ社・上級副社長)が挨拶。「今までのIWAの研究活動に加え、世界が抱える大きな課題である国連・SDGsや気候変動に関する都市のレジリエンス対策に企業の力を加え、早期に解決を図ることが、新たなIWAの使命である」と抱負を語った。またIWAシニアが中心メンバーの水第3種郵便物認可賑わいを見せるジャパン・パビリオン(上・右下)技術セッションの模様(左下)

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