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報告書数ウメオオスロユトレヒトアイントホーフェンアムステルダムミラノザグレブロンドンパリサンティアゴカステリョンバルセロナプラハチューリッヒジュネーブバーゼルブリュッセルアントワープ0001//gm位単 人日火水木金土日月 出所:EMCDDA, 2015図2 欧州各都市におけるコカイン代謝生成物の週間濃度変化45403530252015105020042005200620072008200920102011201220132014■ 2011 ■ 2012 ■ 2013 ■ 20149008007006005004003002001000ロンドンバルセロナベルリンパリオスロ9008007006005004003002001000合成麻薬の「エクスタシー」が高濃度で検出された。しかしスペイン・カステリョンやストックホルムでは全く検出されなかった。覚せい剤の使用が多かったのはフィンランドのヘルシンキ、ノルウェーのオスロ、チェコのブートワイスであった。【図1】4.欧州・主要42都市の麻薬汚染度を下水から判定 2014年、スイスの海洋科学技術関連の連邦政府機関が主導し、欧州各国の政府機関、薬物対策団体、大学や研究所が参加し主要42都市の下水に含まれる各種の麻薬成分を分析した。麻薬汚染度の順位ではアムステルダムはコカインで首位、乾燥大麻やエクススタシーでは2位。大麻での首位はセルビア・ノビサド、パリは3位であった。覚せい剤の検出はチェコ、スロバキア、ドイツで高く、トップはチェコの首都プラハであった。 報告書によると、欧州各国で薬物使用量が増加するのは、金曜日と土曜日の夜だという傾向も確認された。スイスではエクスタシーが「週末用の麻薬」であることを示唆するデータが得られた。エクスタシー検出量は金曜日に跳ね上がり、日曜日に最高水準になり、月曜日に激減している。今回の調第1816号 平成 28年4月26日(火)発行 査は、欧州域内の麻薬中毒の拡大阻止をめざし、現状の麻薬汚染状況を下水水質でリアルに確認したものである。従来の麻薬調査であるアンケート方式では、回答者の信頼性が低いばかりではなく、故意に発覚を恐れ、嘘をつかれることが問題になっており、下水採取法が麻薬汚染度の調査に有効な手段であると述べている。【図2】5.欧州委員会が下水中の薬物 今年に入り欧州委員会の下部組織である欧州薬物モニタリングセンターは下水中の薬物評価方法の手引書を発行(Assessing illicit drugs in wastewater、全82頁)。その中には下水中の薬物の推定方法、下水中の残留医薬品の分析方法、統合的な違法薬物の分析方法などが明記されている。【図3】第3種郵便物認可ベンゾイルエクゴニン(コカイン)とメタンファタミン(ヒロポン)の4年間調査図1 欧州各国・都市における違法薬物の検出状況出所:EMCDDA, 2015出所:EMCDDA, 2015図3 欧州における下水中の薬物に関する報告書数の変遷評価書を発行6.韓国・下水道からの麻薬調査 2012年、韓国の釜山大学のオ・ジョンウン教授は豪州・クイーンズランド大学と共同で国内の下水処理場の原水から採取したサンプルの麻薬残留物質を分析した(2012年12月から13年1月まで)。その論文によれば、国内5都市(釜山、昌原、密陽、金海など)の15ヵ所の下水処理場の原水から麻薬残留物17種を検出した。メタンフェタミン(ヒロポン)、アンフェタミン(覚せい剤)、コデイン(麻薬性鎮静剤)が90%以上の確率で検出された。また、ある試料から新しい麻薬であるMDMA成分も検出された。しかし欧州でよく検出されるコカイン、メサドン類、モルヒネ類は検出されなかった。研究チームは、韓国国内人口1千人当たりのヒロポンの使用量は22ミリグラ

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