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されている。◦電力事情 外貨不足で石炭の生産設備の老朽化対策や設備増強ができず、結果として電力不足になり、それが石炭生産量の減少を加速し、さらに電力不足となる悪循環となっている。水力発電も長年続く干ばつで貯水量が激減し発電量も減少している。さらに深刻なのがソ連の援助を受けて建設された送電線網が老朽化し漏電や断線が頻発している。世界に向けてPRしている首都平壌を除き、他の都市では一日2~4時間給電、農村部では停電が続くか時々1~2時間の点灯である。◦裕福な家庭はソーラー発電で自衛 平壌から軍事境界線の板門店まで行く途中の中小都市のアパートや、国道近くの住宅を見ると、多くの家で窓枠やベランダ、屋根にソーラーパネルを設置している。かつては労働党や軍の高級幹部にしか手が出なかったソーラーパネルとバッテリ、それに電圧安定化装置(ほとんどが中国製だが、最近は国産品も増えてきている)セットが安くなり、ある程度の富裕層には手に入る価格となっている。第1805号 平成 27年11月24日(火)発行 闇市場では20ワットパネルが50ドル位で取引されている。家庭で電力が確保できるのに連れて携帯電話の利用者が倍増し、2015年度中には250万台から300万台になるとの予測も出ている。北朝鮮国内は完全に海外とのインターネットは遮断されており、国内のイントラネットのみであるが、それでも海外の情報が続々と入るようになり当局は神経をとがらせネット検閲を強化している。【写真5~7】 電力が無ければ、すべての社会インフラは成り立たない。先ずは電力の確保に国を挙げて取り組むことが最優先課題である。第3種郵便物認可写真7 裕福な家庭はソーラー発電で自衛②写真5 自前で自動AC制御変圧器を設置写真6 裕福な家庭はソーラー発電で自衛①国から供給される220V、60Hz給電は2~4時間、さらに電圧、周波数の変動が激しいので自前で自動AC制御変圧器を設置している

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