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■m3/d■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■The Global DesalinaƟon Market (GWI)■■■■■世界市場の6割を占めるぜ強くなったか5,000,000m3/d6,000,000m3/dて開発が加速している。市場の伸びに合わせ中国国内膜メーカーも急増、玉石混交で約300社が市場獲得に鎬を削っている。最近まで大型の海水淡水化用RO膜は信頼性のある外国製使用と指定されてきたが、その枠も外され市場争奪戦は激化の一途である。【図3】2.海水淡水化の歴史と膜ビジネス展開の課題 海水を淡水化する方法は、蒸発法と逆浸透膜法(RO膜法)が実用化されている。蒸発法は海水を加熱して、発生した水蒸気を冷やして淡水を得る方法で、長い歴史を持ち、特に発電所と併設することにより、その熱を有効的に活用している。RO膜法は半透析膜を用い、塩分の持つ浸透圧以上の圧力を掛けることによって淡水を得る方法で、蒸発法に比べエネルギー消費が少ない利点を持つ。それではその市場の伸びをみてみよう。 過去10年間の世界水関連市場(上下水道、工業用など)の伸びは平均6%であったが、海水淡水化市場(蒸発法+膜処理法)は、それ以上の伸びであった。特に省エネに優れているRO膜が今後10%以上の伸びが予想されている。1)海水淡水化用RO膜…日本が 海水淡水化向けRO膜市場は、日本メーカーが世界市場の60%以上を占め、また前処理で使われる精密除濁膜(MF、UF膜)市場も日本メーカーが40%を占めている。つまり膜処理技術は日本が世界に誇れる最高の水処理技術の一つである。2)日本の水処理膜メーカーはな RO膜の原理は米国で開発され、第1801号 平成 27年9月29日(火)発行 特に1961年第35代ジョン・F・ケネディ大統領が「海水淡水化を国家事業として承認」してからデュポンやダウケミカル社により開発が加速され主に軍事用や医療に使われていた。しかし高価であり、取り扱いも難しかった。1965年頃から海水淡水化用RO膜(米国製)が中近東地域などで実用化されるようになった。その将来性に目覚めた日本の繊維会社が、米国の特許を導入し各社で酢酸セルロース系の膜開発が活発に行われた。しかし本場の米国では、さらに高性能なポリアミド系膜が開発され始めていた。米国に遅れをとっていた日本メーカーは、繊維の高機能化として各種の水処理膜の開発に邁進、そもそも微細化技術(細かく、緻密に)に強い日本人の性格をもって、世界で最も優れた膜モジュールを作り出した。さらに80年代から(一財)造水促進センターが中心となり、中近東の海水淡水化ビジネスに乗りだし、「RO膜は日本製」と高い評価を受けるようになった。さらに神風が吹いたのである。 90年代からは、電子デバイスの半導体産業向けの超純水需要が高まり、半導体の集積度向上、歩留まりの追求に水処理膜はなくてはならない存在となり、高性能膜の研究・開発がさらに加速された。主要な国内膜メーカーは、東レ、日東電工、旭化成ケミカルズ、東洋紡、三菱レイヨン、帝人などで、各社とも通水能力(フラックス)の向上、膜汚染の防止、膜寿命の延命化の開発に邁進している。【表1】第3種郵便物認可図2 トップ10 脱塩市場国(湾岸諸国除く)2008-2016図3 中国の海水淡水化プラントの増加状況■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 1,000,000m3/d■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■2,000,000m3/d3,000,000m3/d4,000,000m3/d■■■■■/■ ■■■■■/■

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