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第3種郵便物認可 ▲国際水協会(IWA)世界会議・東京総会2018(東京ビッグサイト、2018年9月16日~9月20日) 皇太子殿下(当時)が水問題の大切さを英語で30分ご講演(左)開会式には皇太子ご夫妻がご臨席と災害 ―津波の歴史から学ぶ―」と題したビデオメッセージが上映された。特に陛下自身が撮影された東日本大震災と大津波の写真、さらに震災復興に懸命に取り組む日本人の姿を紹介され、会場から大きな拍車が湧き起った。7)平成25年3月にはニューヨークで開催された第1回国連主催「水と災害に関する特別会合」において「人と水災害の歴史を辿る ―災害に強い社会の構築のための手掛かりを求めて―」と題した基調講演をなされた。8)平成27年4月には韓国・釜山市で開催された「第7回世界水フォーラム」において「人々の水への想いをかなえる ―科学技術を通じた水と人との関わり―」と題したビデオメッセージが上映された。9)平成27年11月にニューヨークで開催された第2回国連「水と災害に関する特別会合」において「人と水とのより良い関わりを求めて」と題した基調講演。10)平成29年7月にニューヨークで開催された第3回国連「水と災害に関する特別会合」において「水に働きかける」と題したビデオメッセージが上映された。11)平成30年3月にはブラジルで開催された「第8回世界水フォーラム」の「水と災害」ハイレベルパネルにおいて「繁栄・平和・幸福のための水」と題した基調講演。12)平成30年9月には東京で開催された「第11回国際水協会(IWA)世界会議」において「水問題の大切さ、水関連災害への対応も国際社会が取り組むべき重要な課題である」と述べられた。参加者一同が非常に感激したことは、講演内容はもちろんのこと、前日までのフランス訪問にもかかわらず、皇太子殿下・妃殿下(当時)のご臨席を賜ったことであった(参加者は過去最高の98ヵ国から約1万人(うち日本人は48%))。 筆者は様々な国際会議や国連会合において天皇陛下のご講演を直接拝聴してきたが、共通して言えることは、①日本古来から、面々と連なる水に関する歴史や知恵を紹介し、世界に発信してきた。②講演資料(パワーポイントなど)には、必ず自ら撮影した写真、あるいは直接視察された内容が述べられている。③世界のあらゆる階層の人々に思いを馳せるお言葉がある。 このように天皇陛下の「水に対する真摯な姿勢、研究内容の深さ」 第1896号 令和 元年7月2日(火)発行が世界中から集まった会議参加者やメディア関係者を感動させたのであった。2.天皇として水研究の  メッセージをご公務に 天皇陛下は今年2月、59歳の誕生日を前にした会見で、「ライフワークとして長年携わった水問題(水災害、地球温暖化問題、貧困問題解決など)を即位後も公務の中に据える考えを示されている。 国内においても、国民の祝日である「みどりの日」「海の日」「山の日」「世界水の日」などの記念日、また日本で開催される国際会議、例えば令和元(2019)年8月横浜で開催される「第7回アフリカ開発会議」や、令和2(2020)年熊本で開催される「第4回アジア太平洋水サミット」(主要テーマ:持続可能な発展のための水 ~実践と継承~)などの機会を通じ、国際社会から高い評価を受けている天皇陛下の水に関するメッセージの発信を熱望している。陛下の国内外へのメッセージ発信は、日本にとっても世界にとっても、非常に意義のあることと確信している。 平成は「水災害が多発した時代」でもあったが、令和は「水問題解決の時代」でありたいと思う。

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