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第3種郵便物認可 り水なしで運転不可能である。このように世界のエネルギーを支えているのが水資源である。国際エネルギー機関(IEA)の試算では2035年にはエネルギー生産に必要な水資源の年間使用量は、現在の660億m3/年から1350億m3/年に倍増すると予測している。 しかし大きなジレンマも存在する。水資源の確保(取水、配水、海水淡水化など)でさらに大きなエネルギーが必要になる。水資源を増やすエネルギー消費をいかに抑えるかが大きな課題である。8.働きがいも経済成長も すべての経済活動は水で支えられている、水脈は金脈である。9.産業と技術革新の基盤をつくろう 節水や水のカスケード利用が待たれている。10.人や国の不平等をなくそう ライバルの語源はリバーと言われるように、ヒトの争いは水資源のフジテレビ系「ホンマでっか!?TV」に吉村氏が出演 グローバルウォータ・ジャパン代表の吉村和就氏が、11月14日(水)に放送される「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ系、21:00~21:54)に出演する。吉村氏は10月24日に放送された同番組にも水環境問題の専門家として出演しており、「日本人と水スペシャル」で日本の水道や水源地の問題、水が人体にもたらす影響などを解説した。今回の放送では、「評論家は今コレに怒っている‼世の中ココがおかしいSP第2弾」に登場する。確保から始まっている。ナイル川の水争い(上流国とエジプト)、メコン川など国際河川の水資源の分配を公正かつ効率的に水を分かち合うことが不平等を解決する。11.住み続けられるまちつくりを 自然災害に強い日本とも思われるが、災害リスク世界比較では17位とあまり高くない。「世界リスク報告書2016年版」で世界171ヵ国の自然災害(地震、台風、洪水、干ばつ、海面上昇)とそれぞれの国の脆弱性を評価した結果である。 住み続けられるまちつくりは、常に「水との戦いと調和」である。 第1880号 平成 30年11月6日(火)発行として、海に囲まれた日本は、魚類や藻類(海苔)などの資源循環を促進するために、佐賀県などが取り組んでいる下水処理水からの栄養塩類の放出と地域産業の育成に努力し、その成果を世界に発信することが求められている。15.陸の豊かさも守ろう 陸の豊かさもすべて健全なる水循環で支えられている。植林や適切な伐採、水インフラの構築・整備が待ったなしである。16.平和と公正をすべての人に 適切な地域の水循環が世界平和を支えるだろう。17.パートナーシップで目標を達成しよう あらゆる経済活動で水資源が益々重要な位置を占めてきている。世界各国のパートナーシップで水問題を解決することが持続可能な発展をさらに進展させることができる。さいごに SDGsへの取り組みは始まったばかりで、世界各国が智慧と行動力で日夜邁進している。 筆者も国連本部会議で「日本の水資源管理」を述べた(写真)が、日本には個別で優れた技術が沢山あるが、全体システムを「持続可能な発展に向けて」結集するアイデア、人材が不足している。与えられた状況を世界的な視野で俯瞰し行動することが求められている。国連・持続可能発展委員会(NY国連本部)に筆者出席。特別セッション「国家レベルでの統合水資源管理促進」で「日本の考え方」を講演し、パネラーを務める(50ヵ国から専門家80名参加)12.つくる責任 つかう責任 生活に必要なモノを作るには、すべて「水」が関係している。食糧でさえ、仮想水の考え方では大きな水資源の消費割合である。13.気候変動に具体的な対策を 気候変動の影響は、すべて水の姿となって我々の前に現れる。高潮、洪水、干ばつ、水災害など、気候変動による災害の防止は、すべて水問題を解決することであり、一層の治水政策が待たれている。14.海の豊かさを守ろう 海への水質汚染を守るのは当然

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