SEW星230200001001100000グローバル・ウォーター・ナビ水は社会生活を映し出す鏡である 夏の甲子園球場、今回は「第100回全国高校野球選手権記念大会」で盛り上がった。さらに大きな盛り上がりを見せたのは、秋田の県立金足農業高校の活躍である。秋田勢として第1回大会(1915年)の秋田中学(現・県立秋田高校)以来103年ぶりに決勝に進出。しかし決勝では春夏連覇を狙った強豪・大阪桐蔭に敗れ、初優勝には届かなかった。なぜこれほどまでに金足農業高校が注目されたのか。公立高校で、農業高校、ナインの全員が地元出身、吉田輝こう投手の活躍などで、秋田県民だけではなく、全国の高校野球ファンに「我がふるさとや高校野球の原点」を感じさせてくれたのではないか。ふるさと秋田の活躍、しかも秋田高校出身の筆者にとり燃えた夏の甲子園であった。ここで視点を変え、まさかまさかの連続で準優勝まで勝ち登った金足農高の活躍を見ていた秋田市民(給水人口約30万人)への水道配水量の変化はどうだったのか。水需要の観点から夏の甲子園を、再度楽しんでみたい。1.準々決勝(8月18日・土曜日)、金足農業高校と近江高校との対戦 図-1は、甲子園球場準々決勝8月18日、金足農業高校と近江高第1878号 平成 30年10月9日(火)発行 せい甲子園 準々決勝戦 試合展開00近 江金足農業校との対戦時の秋田市内・水道配水量の変動グラフである。A線は比較日(8/11)でB線が試合日(8/18)である。 試合開始までは、日常の水需要であり、試合開始後(15時58分)から、普段の日は夕食の準備のために水需要が増加するはずであるが、試合当日は横ばいである。つまり秋田市民はテレビにくぎ付け、グラフ中でB線が下がっているのは金足農(後攻め)の攻撃時であり、試合途中でピークが上がっているのは、近江高攻撃の番である、つまり市民は金足農の攻撃が終わると緊張が解け一斉にトイレに駆け込むのである。グラフの中央の大きなピークは5回裏のグランド整備である。 圧巻は金足農が1点差(9回表で2対1で負けていた)を追う9回裏、無死満塁から斎藤の三前2ランスクイズで、まさかマサカの逆転サヨナラ勝ち(2対3)である。グラフを見てみよう。試合終了時(17時45分)配水量3000m3/時であったのが、30分後には、2倍以上の6500m3/時に激増している。 さらに準決勝では強豪・日大三高と対戦、吉田投手の好投で決勝に駒を進めた(2対1で勝利)。2.決勝戦(8月21日・火曜日)強豪・大阪桐蔭と対戦 図-2は決勝戦のあった8月21日(気温27.7℃)B線グラフと比較対象日8月8日(気温27.8℃)A線グラフである。待ちに待った決勝戦、一時間前からトイレの水使用が増加。試合開始から毎時3000m3/時、前後で比較日を下回って推移、初回に3点入れられ、トイレタイム、5回裏には6点追加第3種郵便物認可図-1 甲子園・準々決勝戦による秋田市の水道配水量の変動(8月18日/金足農業VS近江)吉村 和就[グローバルウォータ・ジャパン代表 国連環境アドバイザー]~甲子園・秋田金足農高の活躍と水道配水量~41
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