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SEW ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■出所:VCI, Chemiewirtschaft in Zahlen 2013, Table 61.世界No1:ドイツの化学製品・薬剤輸出額グローバル・ウォーター・ナビドイツ/アヘマ国際見本市と ドイツは私の好きな国の一つである。80年代には、カールスルーエの原子力研究所やシュツットガルト工科大学との共同研究の打ち合わせによく出かけていた。もちろん土日は南ドイツの古都めぐりであった。今回は久しぶりにフランクフルトとケルンを訪問した。1.アヘマ国際見本市・国際会議 6月15日から19日までドイツ連邦共和国のフランクフルト市で開催されたアヘマ国際見本市および国際会議に参加。この国際見本市は3年毎に開催、世界最大規模で化学工学、特に分離技術を中心に展開され化学プロセス、バイオテクノロジー、水に関する新技術や機器が展示されている。展示会場の大きさは、東京ビッグサイトの7から8倍の敷地面積で、約3800社がブース展示し、期間中の訪問客は延べ17万人と見込まれている。アヘマ展示会場入口第3種郵便物認可 なぜ、ドイツではこのような見本市(メッセ)が盛んになったのか 歴史的にみて、欧州では日本のような問屋制度がなく、製造された実物を見ながら商談する見本市商法が根付いている。特に中世ドイツでは協会のミサの度に多くの人が集まり、そこで情報と物々交換アヘマ(ACHEMA)国際見本市について 化学技術で世界をリードしてきたドイツでは、歴史的に古いデヘマ(ドイツ化学装置協会、1926年設立)は「化学者と技術者の融合」を目指していたのに対し、アヘマ(全ヨーロッパ化学装置に関する展示・研究および化学工学大会組織、1953年設立)は「具体的な装置と材料などの研究開発を主眼」としてきた。アヘマ展示会の特徴は、①広大な会場に多種多様な化学装置、分離機、ポンプ類、機械部品、材料などが整然と展示され、単品からシステムまでの情報収集が容易、②実物を見ながら商談が進む(日本のようにセールスマンの対応ではなが行われ、これが見本市(Messe)に発展した。第1796号 平成 27年7月21日(火)発行1)世界の化学産業市場 米国化学工業協会(ACC)によれば、世界の化学プラントおよび機器の市場規模は過去8年間において約2倍に達している。さらに2018年までには487ビリオンユーロ(約68兆円)に達すると予想している。欧州市場では年率5%の成長がみられた。中でもドイツは自国化学プラントから生産される化学製品・薬剤における輸出額で世界一の座を保っている。 しかし新規市場、特に中東における化学プラント市場では、ドイツは新興勢力の韓国や中国に大きなプロジェクトを奪われ、一時は中東の化学プラントのEPC(エンジニアリング、調達、建設)プロジェクトの3分の2は韓国に抑えられた。しかし最近の報道では安値受注したサムスンエンジニアリングは、総額220ミリオンユーロ(308億円)の損失を被ったとも聞く)、上級技術者が待機し訪問者と直接、技術的な意見交換する、③専門家の集会場である。3年に一度、新技術の内容やトレンドについての意見交換の場でもある。 今回の技術セッションではパネルディスカッションおよび専門家会議が開かれ、約800テーマセッションが討議された。主なテーマの概要を以下に示す。■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■吉村 和就[グローバルウォータ・ジャパン代表 国連環境アドバイザー]04ケルン下水処理場の視察

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