EWS グローバル・ウォーター・ナビ1.第七回世界水フォーラム 第七回世界水フォーラムが韓国の大邱(テグ)を中心に4月12日から六日間、開催された。大邱EXCO及び慶尚北道HICOコンベンションセンターをメイン会場に世界168ヵ国から約4万1千人が参加(事務局発表)、「私たちの未来への水、安全で豊かな水を全ての人々に」をテーマに約400のテーマセッションが展開された。3年毎に開催される世界水フォーラムは、水に関する全ての国際機関や各国政府、地方政府、学界、リサーチセンター、民間企業、専門家ネットワーク、事業体やNGO、NPO、さらにメディアが参集し、水を多面的な視点から捉え、将来の水政策を提言する世界最大級の会議である。 各国の首脳級が参加する①政治プロセスや②テーマ別会議、③地域性テーマ、④科学技術のメインプログラムで議論が展開された。 また同時に70の市民フォーラムや100を超えるサイドイベントが開催され多くの参加者で賑わった。EXPO展示には世界中から約300ブースの出展があり、自国のパビリオンを開設していたのは、韓国、日本、アラブ首長国連邦など15ヵ国である。メイン会場の大邱EXCO第3種郵便物認可 【ハイレベル会合】 首脳級が参加するハイレベル会合では、水の安全保障と持続可能な水循環、水インフラへのファイナンス問題、水とエネルギーと食糧問題、水災害と防災、国連ミレニアムゴール(MDGs)への後継策、水に関する国際連携のあり方など2030年に向けての提言がなされた。【皇太子殿下のビデオメッセージ】 日本の皇太子殿下は「人々の水第1790号 平成 27年4月28日(火)発行【ハイレベル閣僚会議】 太田昭宏国土交通大臣は、慶州会場での「ハイレベル閣僚会議」に出席すると共に「水資源に関する円卓会議」で共同議長を務めた。さらに同会場にて「第二回日中韓水担当大臣会合」が開催された。世界水フォーラム向けには「日中韓、三ヵ国は先進的な水への取り組みを共有し、その経験を諸外国への想いをかなえる」と題し、日本が水とともに歩んだ歴史を述べた上で、「未だに世界各地で多くの人命や財産が失われている。自然の力に対し科学技術が未だに及ばないところが有りますが、人々の知恵と工夫、なによりも強い意志と想いが、より良い科学技術を生み、安全で豊かな『私たちの未来の為の水』へと発展していくことを確信しています」と締めくくった。世界水フォーラムに毎回出席している筆者にとり、今回も感動した講演であった。(詳細は宮内庁のウェブサイトを参照下さい。英語で20分)2.主要テーマ3.日本勢の活躍01第七回世界水フォーラムが韓国で開催吉村 和就[グローバルウォータ・ジャパン代表 国連環境アドバイザー]
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